火星の月の下で

日記がわり。

侍っ子

相当気になっていた関谷ひさしの『侍っ子』を読む。
予備知識がまったくなかったら、いったいどういう感覚で読んでいただろう。
少年時代に夢中になった『ストップ!にいちゃん』の数十年を経た進化形がここにあると思った。
昨年80歳でこの世を去られた関谷ひさし氏が、70歳代に、発表するアテもなくコツコツと書き溜めたとというこの『侍っ子』、解説の連中も書いているが、70歳の、人生最晩年の人が書いたとはにわかには信じがたい絵、物語だ。
たしかにセンスは今の主流ではないが、そこには死ぬまで進化し続けていた関谷ひさし、という漫画を死の寸前まで愛しぬいた作家がいて、心振るわせてくれる。
特にこのあだ討ちの女の子、最初髪で顔を隠しているんだが、この女の子の、存在そのものからたぎりたつ強さと優しさがミックスしたところなんか、『ストップ!にいちゃん』のサチコが時空を超えて、時代劇に入ってきてくれたような錯覚に陥るし、途中で知り合う狼なんか、氏の犬好きをあらためて思い出させてくれて、ちょっと目頭が熱くなる。顔もボスに似てたしね。
そういや主人公の狼之介も、賢二に似てるよなぁ・・・。
巻末には、氏のデッサンやラフなんかも残されていて、そういったものにも驚かされた。

○初音ミク「桜ノ雨」で卒業式…ネットで登場、希望殺到

初音ミク「桜ノ雨」で卒業式…ネットで登場、希望殺到
なんか時代んなんだろうね。
ということで、ニコニコに行って聞いてみた。
初音ミク/桜ノ雨
うーん・・・正直、ちょっと微妙かな・・・。
単一の曲として考えるのならこれもありだとは思うしし、ミク文化の裾野の広さ、懐の深さ、なんかを感じさせてくれるけど、式典で歌ったり、合唱にするにはかなり不向きなメロディラインのような気がするんだが・・・。
もっとも、ワタクシも昔アルバイトで非常勤をやっていた都内私立女子高の卒業式で、教え娘たちが『タッチ』のエンディングを歌ってたことがあったので(あれも相当合唱には不向きだった。曲は大好きなんだけどね。)まぁ、その曲が好きなら、あるいはその曲に感動しているのなら、それはそれでもいいのかな、という気はする。
ただ、この曲がどうこう、というのではないけど、人生の節目になるような、こういった式典では、好きな曲とか流行歌なんかよりも、ちょっと歌詞も古風で小難しい内容の方が、あとあと思い出になるような気がするんだが・・・。