火星の月の下で

日記がわり。

◎初代プリキュア考

キッズステーションで今週から『ふたりはプリキュア』(第一作)の連続放送が始まっており、録画もたまってきたので本日放送の第9話、第10話までを視聴。
いくつか記憶がボケていることもあって放映当時感じていたものとはけっこう違う感覚のところもあったのだが、それ以上にあらためて、実によくできている構成であるな、と関心した次第。
まず、当時から名作の誉れ高かったOP。
ここで物語の概容、それもキャラ紹介だけでなく、内面的紹介がさりげなくはさみこまれていて何話か進んでいくとその真意がわかる、という風にもなっている。
当時は『ナージャ』のあとだったこともあって「なんか軽くなったなぁ」と感じてしまっていたのだが、第7話、第8話を視聴した後で見ると、決して軽くないな、と実感。
というのも、ミップルメップルに出会わなければ、おそらく二人は同じ空間にいても別々の人生を歩み、交差することはなかったんだろうな、という場面が示されていることで、この作品のテーマの一つであろう、友情のあり方みたいなものが開始当時からかなり強く意識されていたらしいことがわかる。
続いて、友だちになったあとの共鳴シーン。
こちらはおっさん視聴者の人気が高かったように思うが、空中バトル、鉄骨の上でキッと顔を上げる場面のシンクロシーン。
これが別々の生活だったカットの間に来てて実に効果的。
そして最後に、ピンチになったときに支え合う二人の姿が現われて、キメポーズののちに終了。
久し振りに見て(つってもMAD素材としてはけっこう見てはいたが)ドラマとの連携に関して例が少ないであろう一致ぶりを確認。
続いて、敵キャラ。
OPの段階でダークファイヴが映っているが、本編最初の方はピーサードのみ。
まぁ、これはよくあるかな。
本編の最初の数話、構造とテーマが出てくるが、当時いろいろと言われてて有名だった3つの革新。
1.光線技よりも肉弾戦が主流。
2.アイテムで直接敵にトドメをささない。
3.助っ人男性が介入しない。
まず肉弾戦。
「女の子が殴る蹴るで闇の勢力に対抗する」・・・ただこれ、今の目で見るとそんなに肉弾戦に特化しているわけではない、と感じてしまう。
特に今年なんか『Vivid Strike』みたいな作品も放映されているし、その後の10年以上に及ぶ表現の進化を思うと「・・・普通?」という気さえしてくる。
この作品以前に女子が徒手空拳で戦う、というのがないわけではなかったけど、それを解決の一手段として定着させた、というくらいは言ってもいいかな、と思う。
あまりに一般化、定式化してしまうと、それを生み出したものをふりかえったとき平凡に見えてしまう、というアレですな。
続いてアイテムの使用方法。
女児アニメにおいてアイテムの有効性、商品性はこの頃もう既に確定していて、女児アニメであれば商品アイテムを出し、しかもそれがお話の中に組み込まれなくてはいけないことがほぼ常識化していた当時、それを使って相手を粉砕、消滅させるという解決手段ではなかった、というのも、今から考えるとちょっとした驚き。
もちろん光線技でトドメをさすし、男だったこともあって、ワタクシはそこまでの革新性は見ていなかったのだが。
そして、タキシード仮面のような男性協力者が不在であること。
物語の後半に、助言的立場のものが少しだけでてくるけど、全編を通してはいなかったと思う。(後半はこれからなので、リアルタイムでの記憶がボケているのでこういう書き方をしておく)
後のプリキュアシリーズではなくなってしまったものもいくつかあるけど、この肉弾戦が織り込まれている、というのも、等身大の女の子、つまりまだ体力的な差が決定的要因になる以前の女児に与えた影響はかなり大きいかったのではなかろうか。
そして、昨日の第7話「熱闘ラクロス! 乙女心は超ビミョー!」と第8話「プリキュア解散! ぶっちゃけ早すぎ!?」
ここでそれまで苗字で呼び合っていた二人が名前で呼び合うようになるというエピソード。
プリキュア初期の名エピソードとして上がることの多いこの2話、今見てもその構成、テーマの見せ方、シリーズの中での位置、どれをとっても秀逸だった。
友だちとの距離感、違う世界の人間だったことへの不安、友情の完成及びそこへの道、見せ方。
すみずみまで記憶しているエピソードだったのに、今見てもけっこうグッとくるエピソード。
ま、第7話の、試合中に抜け出して敵と戦って戻ってくる、という時間の流れに少しもやもやしたものを感じなくもなかったけど、たぶんそれっておっさんの見方だしなぁ・・・。
他にもいろいろあるけど、本腰すえて書くとなるとけっこう時間食いそうだし、かといってせっかく録り直していたりするのに何も書かないのはちょっと残念だし(ブログに移る直前のレンタル日記時代にはそれほど書かなかったので)ということで、なんか当たり前のことしか書いてないような気もするんだけど、日記ということで記録しておく。