火星の月の下で

日記がわり。

○年齢と飲酒

60を越えてから、けっこう強い酒を飲んでも頭痛がしなくなった。
これがどういうことなのか、正常なのか異常なのか、病気なのか自然なのかよくわからんのだが、記憶を辿って酒に対してカラダがどう反応していたかを記しておく。
・二十代の頃。
ビールコップ一杯でも悪酔いした。
とにかく吐き気と頭痛、これにつきる。
忘年会でビールをコップ一杯飲んだだけで、トイレでゲロゲロ戻してしまい、この世にはこんなのにも恐ろしい飲み物があるのか、と心底震えた。
二十代後半になっても、吐き気というか、吐瀉が確実に起こって、胃の中がからっぽのときは、胃液のようなものが出たりして、とにくアルコールを含んだ飲料は悪魔の水だった。
当然二日酔いもひどくて、だいたい忘年会とか新年会とかでしか飲まされなかったが、確実に翌日はブッ倒れていた。
・三十代の頃。
吐き気は出るが、吐瀉までいくことがかなり少なくなってきた。
吐き気があるのに吐けない、というのはそれはそれでつらかったけど、二十代の頃のように、ほとんどもう自動的に吐いてしまっていた、というようなことはなかった。
二日酔いは相変わらずあって、とにかく頭痛が酷かった。
・四十代の頃。
からだに少し変化を感じ始めた頃で、ビール小ジョッキくらいなら、吐き気もなく、全身に血液が回る「酔っている状態」を意識できるようになった。
頭痛は相変わらず出たものの、酒の種類によっては二日酔いになることはなくなった。
比較的ましだったのが、ワインと日本酒。
このあたりは20度、30度くらいあっても二日酔いまではいかなかった。
一方、ウィスキー、ウォトカの類は二十代の頃と同じで、二日酔いが出た。
20度くらいのものでもけっこう二日酔いが酷かった。
・五十代の頃。
この頃からようやく「酒の味」がわかるようになってきた。
「酔っている状態」を明確に自覚できるようになってきて、自分の限界もなんとなくカラダの反応でわかるようになってきた。
ウィスキーやウォトカを飲んでも二日酔いになることもなくなった。
しかし体調の如何によっては頭痛が出ることもあり、飲酒時に頭痛薬が必須、という状態は相変わらず変わらない。
そして、さめるのも早くなった。
水分を多く取って尿で流す、二十代の頃からよく言われてたのだが、この頃になってようやくその感覚がわかるようになってきた。
・六十代、つまり現在。
酒の味というより、酔う時の感覚の差で、酒の好みが出て来たように思う。
頭痛もまったく出ないわけではないが、それほど頻繁には出なくなった。
四十代の頃まであんなにつらかったウィスキーが普通に飲めるようになってきて、長生きはするもんだ、と思っている。60くらいで長生きというのも変かもしれんけど。
こんな感じかな、両親ともにウワバミで底なしと言っていいくらい酒に強かったので、遺伝子的には決して弱くないはずなんだがなぁ、というのを二十代の頃から思ってはいたものの、実際にはゲロゲロ吐いてたので、今こんな風になってているのがまるで別人のカラダになってしまっているような感覚になる。
ただまあアルコール中毒は怖いので、春夏は極力飲まないようにして、秋冬も続けて飲まないようには注意しているつもりなのだが・・・。