火星の月の下で

日記がわり。

○「昔は良かった」の錯覚

「1976年のドラマを見て振り返る「30年〜40年前の日本人のマナーは最低だった」のに「昔はマナーが良かった」という人がいるのはなぜかという話」(togetter:1195936)
確かに、駅のプラットフォームには痰壺が柱の横というか下というかにこっそり置いてあったし、国鉄の車内には灰皿があったりしたのは憶えている。
今思うととんでもない時代だったな。
マナーの過去比較についてはまったくその通りだと思うけど、さらに大正末期から昭和初期にかけての時代との比較もやってほしい。
というのも、昭和初期・軍政以前の映画とか見てると、マナーの悪い地域とそうでない地域に明確なボーダーというか境目があって、そこを越えるととんでもない魔境になるけど、そこに踏み出さない限りは現代と共通するような落ち着いた空間が描かれているように感じるときがあるので。
終戦直後に関しては、黒沢の『野良犬』に描かれた戦後直後の東京の凄惨な風景を見ていると、あれで都市生活者のマナー云々を言うのはちょっと酷かな、とも思えるし。まぁ、題材に上がってるのは1970年代だからけっこう経ってはいるけど。
あと、病気とその知識、予防について、もう格段に違うと感じる。
タバコがいかに有害か、というのは、当時からある程度は知られていたけど、現代ほどはっきりと具体的に、かつ全国民レベルでは普及していなかった。
その他の、不健康な食生活や性生活なんかも、持ってる情報量がまったく違う。
そういった知識の積み重ねも、マナーの発展に寄与していると思う。