火星の月の下で

日記がわり。

わたかの島今昔

三重県に実在する“ヤバい島”を現地取材「ショート2万、ロング4万、帰りは船着き場まで女の子が見送りに…」」
(ps://bunshun.jp/articles/-/39578)・・・文春の元記事。
(ps://news.yahoo.co.jp/articles/06d7979f211bfd8325c628a2857020bbce3be395)・・・Yahoo。

下のYahooの記事がトップに上がってて見たのだけど、あまりにも有名な「わたかの島」こと渡鹿野島のルポ。
ただし記者が取材前にほとんど知らなかったのか、あるいは読者がまったく知らないと想定して書いたのか、現在のルポよりもかつての賑わいの方が主となった記事。
一応最後の方に現状が少し書かれているが、付け足しのような感じで、置屋があふれかえっていた40~50年前のことが中心になっている。
したがってそのあたりのことは、行ったことがなくても知ってることばっかりでかなりがっかりな内容。
こういうルポをするんだったら「あの有名なわたかの島の現在」の方を中心に据えるべきなんじゃないかな。

思うに、これもたぶん東京目線の一つなのだろう。
三重県と言う地方に、こんなヤバいところがあった!」みたいな、ゲスの覗き見みたいな感覚になっている。
実際、近畿・東海だとほとんど常識に近いところで、東京でいえば「びっくり!吉原に売春地帯がある!」(正確じゃないけど)みたいな範疇。
わたかの島をレポートすることは重要だと思う。
それは現在、観光の方に舵を切っていて、かつての「売春島」の面影はかなり拭われつつある、という視点でなされるべきではなかったか。
ここでは伊勢志摩サミットの影響で、と書かれているが、冗談じゃない。
既に90年代には衰退傾向に入ってて、東南アジア系ばっかりになっていた、というのもよく知られていたことである。

このあたりは海産物も豊富で、かつ風光明媚な海の情景が楽しめるところ。
観光産業も売春産業と同じくらいに歴史もあり、むしろそれが表の顔だった。
こういうレポで知りたいのが、現在の観光とかつての「裏の顔」との共存の仕組み、あるいは観光業での目玉とかではなかろうか。
それだとゲスな視点の興味を引きづらい、というのであれば、それはルポライターの技量が不足しているのである。
きれいごとを書け、というのではない。
最後の方にも少し出てくるけど、ほとんど滅びかかっている置屋の現状の方をもっとクローズアップするべきではなかったのか。