火星の月の下で

日記がわり。

『ぼっち』第8話

『ぼっち・ざ・ろっく』第8話を鑑賞。
久しぶりに「アニメを見て心が震える」瞬間を堪能できた。
ぼっちがライブのステージで自信を失いかける仲間たちを見て、グイッと足を踏み出し、ソロを始める。
そのすごさに引きずられるように、パーカッションが、ベースが、そしてヴォーカルが重なるように曲に入っていく。
1曲目の気の抜けたような演奏(実際は緊張と、台風で客足が伸びなかったことに対する減退感)に白けていた一般客も、この演奏に引き込まれていく。
金沢八景でのひとりの路上ライブを見てやってきていたファン1号ちゃんと2号ちゃんも、本領を見せるひとりの演奏に引き込まれていく。
主人公が覚醒した瞬間で、こういう手法自体は決して新しいものではないんだけど、そこに至るまでの作りが丁寧で、ギターヒーローとしての実力をここまで磨いてきていた、でも極度の内気でそれを隠していた後藤ひとりの存在感とか人間とかが一気に浮き上がり、結実していく様子が実に素晴らしい。

一曲目と二曲目のギャップ。
しかしそれゆえにこそ、ドラマトゥルギーとして引き付けられるものがあった。
今期のみならず、今年の全作品中ベスト・エピソードだった。
原作から好きだったので、こういう見せ方をしてくれるのは、実に嬉しい。