火星の月の下で

日記がわり。

いぬかみっ 第8巻

日曜日には読み終えてたんだけど、どう書いていいものか、ちょっと迷ってたので遅れました。
すごくシリアスな話と、ジンガイ・ラブコメのときがあるけど、今回は全編通じてシリアス寄りの内容。まぁ、ギャグとかもないわけでもないですが。
面白かったことは面白かったのですが、まだ完全に解決したわけではないので、ちょっと書きにくい、ということなのれす。
クサンチッペがまさかの暴走で、ものすごいバトルが後半用意されてたわけですが、前半に関しては、間奏として、少しずつ薫の出自が描かれていってますけど、本文の方の、なでしこの実態が暴かれていく方も面白かったですな。ただ、まだ完全に暴かれたわけではなく、その犬神始原の頃からの姿の片鱗を随所に見せてくれただけのようなので、ぜひ、はっきりした姿も後続の巻で書いてほしいです。
それと、ごきょうや。
活躍度合いからいくと、ともはねやたゆねの方が、健気で胸にくるものがあったんですが、秘密を知って、フラノやてんそうをまとめ、そしてなでしこと対峙する姿は、薫の犬神の中での実力を隠し持ってた、っていう感がありましたね。
序列は5位、ってことだけど、この8巻での存在感の大きさは、なでしこ、ともはねに次ぐものがあったように思います。
後半の対クサンチッペとのバトルでは、やや唐突な感がなくもなかったんですが、作者心理として、赤道斎や大妖狐をむげに負けさせるという結末にはしたくなかった、ということなんでしょうかねぇ。おとしどころとしては、一応納得はできますが、6巻からふってきた赤道斎のキャラクターを思うと、やや肩透かし食ったようなところもあります。
で、そのバトル。
まぁ、クサンチッペに変わってしまった点については、そんな気持ちがなくもなかったのですが、バトルそのものは、テンポもいいし、けっこう良かったと思う。
特に、犬神達が、ぐしゃっ、とつぶれるように敗れていくところは、クールな描写だっただけに、迫力が出てました。とりわけ、ごきょうやが倒され、フラノ、てんそうが無残につぶされるところは、けっこう胸をうちました。・・・作者、ちょっとサドっ気あるんじゃないの?(笑)
ようこのロマンスもよかったんだけど、今回はあんまり出番なかったですな。
うる星風ラブコメ風味も楽しいし、手腕はあると思うけど、こういうシリアスな話がちゃんと中心にある、っていうのもいいもので、長さのわりに、一気に読めました。
ただまぁ、今回なでしこの問題が解決していないし、絶望の子の背後にいたソレの存在とかもまだひきずってるみたいなので、そっちの方の展開も楽しみとして残されました。
アニメ化にひきずられることなく、この世界をしっかり描いていってほしいと思います。