火星の月の下で

日記がわり。

世代間格差ではないようだ

先日、同年代の友人にヤボ用で電話したときの会話で少し気になることがあったので、少しばかりメモ。
要件もすんで、雑談になったとき「ウルトラマンメビウス、どう思う?」と振られた。
正直なところ、アニメの人になってから40年以上経つし、テレビ特撮に心を奪われていたのは昭和40年代だけで、それ以後も一応視聴はしてるものの、それほど入れ込んで見ているわけでもなかった。
そこで、比較的熱心に見ていたCGA合成のこととか、について話をしているとどうにもかみ合わない。
よくよく聞いてみると、この友人、どうもそういうコンピューター処理の合成が気に入らないらしく、着ぐるみでないとヒーローもののよさが出ない(・・・と、はっきり言ったわけではなかったが)ような感覚をもっているようだった。
重ねて書くと、同年代、50代である。
似たようなことは、30代の特撮好きからも聞いたことがあって、CGAはダメだ、着ぐるみでないと、とこっちの知り合いははっきり明言していて、そのときは、たぶん世代間格差なんだろうなぁ、と軽く考えていた。
つまり、20代後半から40代前半くらいの人間の特撮ドラマ体験というと、たぶんウルトラ第2世代、帰りマンから80くらいまでが幼年体験ではないかと思う。
あの頃に洗礼を受けていたら、もう着ぐるみで演じられるドラマがほとんど定番として定着していて、面白さもつっこみどころも、その中で閉じているような感覚ができてしまっていても不思議はないだろう、と思っていたのだ。
だが、我々50代っていうのは、ウルトラQの前に鉄腕アトムなり、東映まんが祭りなりを体験していたし、なにより、洋画においてハリーハウゼンのダイナメーションなんてのも、けっこう驚異をもってみていたわけで、必ずしも着ぐるみが最高、っていう感覚ではなかった。
むしろ、ぎこちない着ぐるみで演じられる、SFドラマの方に惹かれてていたわけで、映像技術としては、今のCGA処理の方が格段に良いし、昔はドラマ性、中だるみ(ウルトラ第2期)を経て、映像技術の時代、という気持ちだった。あ、もちろん自分の好みとしてね。
ウルトラ第2期では予算の問題が重くのしかかっているので、単純に比較はできないけど、もっぱら光学処理の美しさ、華やかさの方に主眼があって、ドラマの方は正直うんざりしていたところもあった。
ガキんちょは出さんでいいいんだよ、とか、正義のための戦いではなく法の下の平等のために戦えよ、とかそっちの気持ちの方が強くなってしまっていた、っていうのもあるが。
まぁ、狭い知己の範囲の友人数人を見て世代がどうのこうの、っていうのもおこがましいし、間違っているところもあるだろうけど、市井の趣味談義としては、そんなところに落ち着いてしまうのは仕方ないので、漠然と、50代以上は現代映像技術の賛美、30,40代は着ぐるみ信仰、20代から下は、特撮とアニメは視聴層として分離して、ほぼ別物になっている、っていう感じだったのだが、同年代の友人からも、着ぐるみの方がいい、といわれるに及んで、単に自分の嗜好がちょっと変わってたのかな、と思ってしまった次第。
こうして見ると、わたしゃやっぱりアニメ側の人間なのかな、っていうのを実感してしまった。
やっぱり、実写の人間が映ってると、もうそれだけでマイナス要因だしね。