火星の月の下で

日記がわり。

リーフェンシュタールの山岳映画

戦争協力というと、判で押したみたいに出てくるリーフェンシュタールだけど、先のジェノサイド五輪でもスピルバーグが「現代のリーフェンシュタール」と言われていた。
だが、これはちょっと悲しいね。
リーフェンシュタールというと、『民族の祭典』『美の祭典』『意思の勝利』といった、世間一般ではプロパガンダ映画の監督として知られている*1が、初期の頃、フィンク博士の元で関わった一連の山岳映画の数々には、表現主義の血を受け継ぐ傑出した作品がいくつかある。
中でも、自らが主演した初監督作品『青の光』は、非常に優れた山岳幻想映画だと思うんだけど、表現主義の映画祭や独映画祭なんかでも、取り上げられることが少ない。*2
私が見たのはフィルムセンターで、もう30年近く前だったけど、あの曙光の中に佇む野生の少女の映像はいまだに記憶にある。
時間ができたら、この映画や、戦前のドイツ映画のレパートリーの一つだった、山岳映画についても何か書き残しておきたい。
まぁ、誰かが優秀なフィルモグラフィーを作ってくれて、それを参照していたほうが楽ではあるので、もっと精緻に探してみる、の方が先ではあるけど。(笑)

*1:『意思の勝利』はともかく、伯林五輪映画は、必ずしもプロパガンダ映画とはいえないのだが。

*2:もちろんないわけではないので、上映が禁止されてる、ってことはないと思うけど。