火星の月の下で

日記がわり。

◇フェロー諸島2-1リトアニア

2010FIFAワールドカップ欧州予選、オランダに続き、スペイン、イングランドが予選を突破して出場を決めている中で、ひっそりと目立たないが注目していた試合があった。
グループ7で、なんとフェロー諸島リトアニアに2-1で勝利。少なからず驚いた。たぶん今回もいいとこ引き分けくらいはあるかもしれんが、勝利までは無理だろう、と思っていたので。
グループ7の参加国は、フランス、セルビアオーストリアリトアニアルーマニア、そしてフェロー諸島。予選突破の可能性はほとんどフランスとセルビアに限られていて、他の4カ国はほほ絶望的、という状況で、中でもフェロー諸島は最下位がほぼ確定、引き分けが2ゲームとれるかどうか、というくらいだと思ってたら、オーストリアに引き分けたのに続いて、なんとリトアニアに勝ってしまった。
既にアウェイではリトアニアに敗れていたものの今回のホームでの試合でリトアニアに勝利。
人口4万8千人の北海の諸島自治領としては、大金星と言っていいだろう。
日本のサッカーは、読売の薄汚いところがかなり鼻につくのであんまり興味はわかないんだが(それでもJリーグには好きなチームがないこともないので、たまに観戦したりはしているが)欧州のサッカーは昔から好きで、それこそ60年代から、深夜にひっそりとW杯を中継してた頃からよく見てた。
66年のイングランドvsBDR(西独)、74年のBDRvsオランダ、78年のアルゼンチンvsオランダ、なんか、今でもまぶたの裏にいくつかのシーンがよみがえってくるくらい強烈な印象だった。
中でも北欧のチームが好きでよく応援していた身としては、ノルウェースウェーデンデンマーク、そして本大会出場はまだしたことがないもののアイスランドフィンランド、そして88年からの参加であるフェロー諸島なんかは応援していたし、注目もしていたのである。
今回の2010W杯は、北欧諸国としては、グループ1のスウェーデンデンマークのどちらかにかなりの可能性があるので、応援しているところで、あとはグループ9のノルウェーにわずかながらプレーオフの可能性が残されているくらい。
そしてアイスランドフィンランドフェロー諸島は早々と予選敗退が決まってしまった。
しかしフェロー諸島の場合、予選突破なんてだいそれたことは考えてなくて、勝てるかどうか、ということがポイントだったんだけど、リトアニアから勝利を奪い、嬉しい結果につながった。
以前にも書いたように思うけど、語学好きにとっては、フェロー諸島って、蘭領フリース諸島とならんで、非常に興味のある地域なんだよね。
一応デンマーク領なんだが、デンマーク語ではなく、中世の色彩を色濃く残すフェロー語で、これはデンマーク語よりもアイスランド語に近い形態で、古ノルド語の面影を残す、たいへん興味深い言語。
そして風俗という点でも、現存する唯一のチェーンダンスが残っていたり、妖精会議や妖精舞踏なんかが残ってて、実に興味ある地域。
そういった点でも普段から注目していたりするので、欧州では国民が一体となって熱狂できるサッカーで、こうやって勝利を上げた、というのには、他人事ながら、少し嬉しかったりしたのである。