火星の月の下で

日記がわり。

◎流星の双子に見る、昔日のネタ

第1話の段階で既にそうかな?・・・とは感じていたけど、第2話を見て、かなりその確信が強まった。
かなり昔の作品をうまく消化している気がするのだ。
まず、ターニャの能力、虫寄せ。
言及している人がほとんどいなかったけど、あれって『地球ナンバーV7』の地球支部長だよなぁ。
『V7』では、火星に殖民した人の多くが、特異な超能力を原則1人につき1つ持つことになり、そこで地球にいる数少ない超能力者と対決することになるのだが、ディックは地球の超能力者だったからか、1人につき1つ、という原則があてはまらず、火星の超能力暗殺者からの攻撃をかわしていき、ついには火星に乗り込み、最強の超能力者たち、カナーリの牢獄に捕らえられた5人の超能力者達と戦うことになる、という話なのだが、この前半部分、地球での戦い。
まだディックの超能力が判然としない中、火星から地球に派遣された超能力者達がV7ことディックと戦うのだが、そこでの大詰め、地球支部長との戦いで、この支部長が肉眼ではほとんど見えない毒虫を操り、ディックはこれに対抗して火炎能力で対抗する、というもの。
このとのき、支部長のセリフ。「V7、昔、虫使いと炎使いの戦いがあったのを知っているか?」
「このときどちらが勝ったと思う?」
「虫使いが勝ったのさ」
「虫は無限にいる。炎使いが疲れたところを見計らって襲撃したのさ」
みたいなことを言うのだが、このスキにフライング能力で逃げられてしまうお茶目さんぶりだったのだが、まぁ、この時点ではディックの能力が複数ある、ということは確定していなかったので仕方ないだろう。
ともかく、ターニャの操る虫は毒虫ではなくコックローチだったが、渦巻く霧のように無数の塊となって襲撃していく、といったあたり、あの支部長の超能力を髣髴とさせるところがあって、見ていてなかなか楽しかった。*1
一人一能力の縛り、でも主人公は違う、というのも、70年代以前の昔の超能力マンガや忍者マンガによく見られた手法なので、妙に懐かしい印象があって、そういや『宇宙少年ソラン』に登場する、タクラマカン砂漠に潜む超能力一族・ミュー一族も確かそうだったなぁ、とか思ってしまった。
その他、第2シリーズの主人公っぽい、蘇芳という少女が契約者となって、対戦車砲を胸から取り出すシーンがあって、あそこなんかは『ウテナ』だったし、ラストで未咲を訪ねてくる三号機関の男の顔が、かなりゴルゴしていたりと、いろんなところに、過去マンガ・アニメのけっこう具体的な片鱗を見る想いがあった。
ともかく、物語がバツグンに面白く、キャラ配置や作画の妙なんかもあって、今期イチオシ、というか、たぶん今年の全作品の中でも群を抜いている感じがするが、シリアス一辺倒ではなく、そのすきますきまに、わかる人だけが楽しめる、微妙なネタなんかもまぶしてあって、ものすごく楽しい。
第1シリーズ「黒の契約者」てもそんなところがあったけど、この第2シリーズは尺が短いため、かえってテンポがよくなっている、という効果がある。たぶんそのへんかなぁ。

*1:誤解のないよう、一応言い添えておくけど、別にパクリだとかパロディだとか言うつもりは決してない。あくまで視聴時の印象のレベルである。