◎血だまりスケッチ 第10話 もう誰にも頼らない
最初始まったとき、第6の魔法少女が出てきたのかと思った。(笑)
例によって詳細な感想はアニメブログの方に残す予定なので、とりあえず気になったところだけメモ程度に。
ほむら視点での語り直しになる訳なのだが、一応時間軸に沿って語られている。
にもかかわらず、最後になって現世・まどかの物語に収束していって、第1話、そしてOPで閉める、という見せ方に、まだ大きな作為が隠されているような気がしている。
ワルプルギスの夜に関して、少し考えていた「悲劇の空席下でのバトル」とかではなさそうなので、あるいはちょっと深読みのしすぎかもしれないが、ほむらの時間順が、まどかにとっては逆順になる、という示唆かな、という気がしなくもなかった。
一応流れとしては、ほむら時間→まどか時間で、順当に繋がってるんだけどね。
しかし面白い物語作りをしてるよな。
今までさんざんまどかが魔法少女になる、というのを伏せてきて、ようやく魔法少女の姿を見せたら、それはほとんど「回想」といってもいいほむら時空でのこと。
そして適度に変化していく性格。
最初、心臓病で病弱で奥手で内向か的な少女として登場したほむらが、過去へのループを繰り返す度に、強くアクティヴになっていくのに対して、心の中で空虚さ、絶望がどんどん大きくなっていく、という連環。
そしてたくましい先輩魔法少女として現れたまどかがどんどん繊細に、優しく、どんどん悲しくなっていき、同じように先輩魔法少女として現れたマミが、取り乱して狂気の淵に沈んでいく姿、5人チームでの戦いの演出等、あの「エンドレスエイト」に似て実は全く違う、時間遡航の見せ方。
しかもその物語の末尾に、次の時空への遺言を託すまどかの姿、そしてあまりにも辛いお願いをほむらに託す姿、「魔女にはりたくないから、ほむら自身の手で殺してくれることを望む姿」、情緒的な見せ方でもキュンとくるものがあるし、実にうまい物語構成。
それと予想がはずれて返って深みが出てきた、と思ったのは、ほむらがまどかにとって、赤の他人だった、ということ。
これはここではなく、アニメブログの方でさんざん書いてたんだが、ほむらがまどかの血族、子孫あるいは未来のまどか自身、とにかくそういた血のつながった誰かを予想してたんだけど、実はまったく違ってて、赤の他人だった、ということ。
でもこの赤の他人だったればこそ、友達として、というのが強く生きてくるのだと思う。
仮に血族だったとしたら、理由付けとしては納得しやすいけど、個としての気持ちではなく、何か別の物理的強制感があって、ほむらが純粋にまどかに対して感じる友情、といったものに濁りがでてきていただろう。
赤の他人だったがゆえに、「血」とかの理由づけでなく、心の感性として深まっていくのではないか。
「百合」とか「友情」とか、そういったことばすらむなしくなってしまうくらいの、まどかに対するほむらの深い想い。
それが最後のセリフ、
「あなたのためなら永遠の迷路にとじこめられてもかまわない」に現れているのではなかろうか。
あと、今回の魔女、けっこう変なのが多くて面白かったね、あのセーラー服みたいなのとか。(笑)
妙に悲しい、5人そろった姿を回顧してこの項を終わる。
今回の語り直しで、かなり出口が見えてきたように思うが、まだまだ予想外のことをやってくれるのかも、と期待もしている。