火星の月の下で

日記がわり。

○腕をしならせて投げろ

「腕をしならせて投げろ」西本さん 斎藤に遺言あった

梨田氏は弔辞の中で、故人が命のある限り最後まで傾けた野球への情熱、探求心を述懐。今季の開幕前日、4月11日に西本氏に電話をかけた際のことだったという。
「ええか、よう聞けよ。斎藤佑樹、あいつの投げ方はあかん。左足が突っ立っとる。右腕が棒のようにかかっとるやないか。
阪神の能見のように、腕をしならせて投げるよう、指導せえ」

4月のことなので、これを遺言、と行ってしまうのはミスリードの感がなきにしもあらず、だけど、90を越えてなお、野球を鋭く観続けていた、ということに感銘する。

指摘は30分以上も続き電話を切る間際には中田の打撃フォームにも言及があったという。
将来の日本球界を背負って立つであろう逸材に、間接的ではあっても指導を惜しまなかった。
それだけに、「100歳まででも1年でも長く、プロ野球界のために長生きしてほしかった」との梨田氏の言葉にも実感がこもった。

斎藤だけではなく、愛弟子梨田の下にいる選手全てに対してということに、まさに情熱の闘将を思わせてくれる。
この記事を読んで少し連想したのが、今年、89になってまた連載を始めている水木しげる氏のこと。
老齢になって、ではなく、熟練の極みの果てに、こういう境地になっているんだろう。
歳を取ることで感覚が摩耗する、というのは体力面ではあるだろうけど、たいてい基礎として鍛えられていない人間のことなのではないか、とも感じる。
ともかく、こういう記事を読むと、あらためて西本監督の偉大さがしみいってくるのう。。。