火星の月の下で

日記がわり。

○ラノベ大河

少しだけ期待していた今年の大河『平清盛』を視聴。
第一印象、金のかかったラノベ。(笑)
いや、絵はきれいだったし、中村敦夫平正盛)、中井貴一平忠盛)、伊東四朗白河院)ってあたりがなかなか良かったので、一応見続けていこうかな、とは思ったけど、「歴史ドラマ」としては、B級かC級。
だいたい冒頭いきなり頼朝が出てきて、平家滅亡を伝える知らせに、家臣団が大喜びするのを頼朝が諫めて「清盛が武士の基礎を作った」みたいなことを言い出して、思わずズッコケ。(^_^;
平面顔の北条政子も、なんか声は女なのに顔がブサメン男子みたいだったのがイマイチで、冒頭のアレは、いかにも女が脚本書いてます、という感じだったし。
とはいえ、今回の第一話の主役である、清盛の父・平忠盛がなかなか良い味を出していて、この人のおかげで、第一話がかなり見れるものになっていたように思う。
あと、このドラマは清盛落胤説を採用しているんだけど、その扱いがかなり荒っぽい。
落胤説は、祇園女御白河院の子を孕んで、それが忠盛に下賜された、とするもので、当時既に高齢だった祇園女御が生んだのは矛盾があるとして、その妹(ドラマでは妹のように思っている白拍子)が生んだ、というものだけど、近年これは明確に否定されているし、当時の御所のメカニズムからして、私も落胤説には反対の立場。
権力者が普通に側室を多数抱えていた時代、母親の身分が低いといろいろと噂が出てくるのは、第39代・弘文帝(大友皇子)の時代からあったことだしね。
もちろん、ドラマなので、その史実ではなく、既に手垢のついてしまった感のある清盛落胤説をとっていること自体は別に構わないし、ドラマが面白ければ全然問題ないんだけど、白河院がそれを殺そうとしたり、せっかくつかまえてきたのに忠盛や祇園女御の進言でとりやめたり、意見した忠盛におとがめらしいおとがめがなかったりと、かなりドラマとして杜撰。
一応正盛が「あの女が全てをひっかぶって犠牲になった」とか言ってたけど、全然そうは見えなかった、というのも、問題ありまくりだしなぁ、ドラマとして。
史実にない説を使うのなら、もう少し整合性をしっかりととってほしいと思った。
市井の風景と、御所の風景との距離感が近すぎるのも、ちょっとどうかと思ったし。
・・・と、批判めいたことを書いてしまったけど、脚本に欠陥はあるにせよ、さすがはNHK、撮ってきているロケ映像そのものはきれいだし、汚いものをちゃんと汚く撮っているあたりは納得できたので、しばらくは見ていく予定。
手放しで絶賛とはいいかねるけど、少なくとも去年のスイーツ大河みたいなことにはならない・・・と思う。(笑)