火星の月の下で

日記がわり。

○『平清盛』 第30話 平家納経

日曜日に見られなかったので、今日の再放送で視聴。
崇徳院の呪詛、なかなかよかったです。
めったにないことだけど、今回はスイーツ脳な脚本が良い方向に作用した感じかな。
実はもっと派手なのを期待してたんだけど、大河ドラマの枠内ということを考えたらあれが限界だしよくやってくれた。
讃岐に配流の身となった崇徳院が、一端は地元の民の手厚い保護で心を静める。
ところが鎮魂の経文を後白河に「呪詛」と解釈されて送り返されて、錯乱し、精神に異常をきたす。
剃髪し、身を清めた姿だったのが、その後茫々と髪を伸ばし梳らず、爪は伸びるにまかせ、血眼となって、天を呪い怨念の句をはき出すようになる。
おりしも高野山へ向かった清盛の次男・基盛が渡河の途中溺死、そして西行が現われて、同時刻、讃岐からもののけの気配があった、と言う。
清盛が平家納経を決意し、私財を投じ贅を尽くした経文33巻を作り、それを厳島へと船で運ぶ。
その船上で突如嵐となり、同時刻、崇徳院は悪鬼のごとき姿となって天に呪詛をはき出す。
・・・という流れで、エンタメ的には西行が見たという「もののけ」をCGAででも見せてほしかったし、その崇徳院の「もののけ」を清盛が平家納経の力で撃退する、みたいな派手なのも見たかったんだけど、大河ということを考えればこれが限界かな。
それでも伝説にあたる部分をかなりしっかりとやってくれた印象で、久しぶりに面白かった。
厳島へ行く途上、後の福原京を暗示させるヒトコマがはさみこまれていたんだけど、これが兎丸のセリフからヒントを得ていた、というのは、ちょっといただけない。
清盛が幼少の頃から感じていた貿易立国の礎となる貴重な箇所だっただけに、なんか思いつきで決めました、みたいなのはやっぱりこの原作者+脚本家はアホだ、と思ってしまったところではあるな。もっとも、福原遷都はもう少し後だけど。
平氏文官のトップと言っても良い平時忠が、なんか長距離トラックの運ちゃんみたいなメイクだったのは、ちょっとカンベンしてほしかった。
時忠は平氏ではあるけど、伊勢平氏ではなく高棟流だ、というのも、もう少しはっきりとわかるようにしてほしいものですな、以前1回だけ触れて終わり、みたいにしてしまうんじゃなくて。
ともかく、崇徳院迫真の怨霊演技でしたので、いくつかいつものように粗は感じたけど、それを十分に補えるものでしたわん、ということで、けっこう満足度はあった。