火星の月の下で

日記がわり。

◎「破」を見た

一応映画館でも見たんだけど、たまたま時間が空いてたので「破」をテレビで見た。
以下、感想は全て主観。
「平成生まれの子とかはこういうのを見て面白いのだろうか」とまず第一に思った。
さすがに20年近い前のお話とデザインなので、再構成というか描き直しても、時代の流れは痛切に感じてしまう。
これは昔『ジャングル大帝』やモノクロ『鉄腕アトム』をリアルタイムで見たときに、手塚キャラの色気にクラクラなってしまったのに、後年リメイクされたときになんとも時代遅れなイモ臭いデザインに感じてしまった、それと似たような感覚に近いのかもしれない。
アニメの技術は日進月歩で確実に進化している、というのを改めて思いだした次第。
個人的な経験で言うと、95年のTV版第一作(こういう言い方でいいのかどうか少し疑問だけど)が始まったときはそうとう驚いた。
そのとき既におっさんではあったけど、アニメを見ていて何か新しいことが始まるのだ、という予感めいたものにワクワクした。
第一クールはSF的手法と人物展開の深さにかなり参っていたけど、第2クールに入って「これ、うまくたためるのかしらん」という気がかなり強くなってきて、最初の3ヶ月に比べると不安の方が大きくなっていった。
そしてあのラスト2話、そして制作者の言い訳じみた弁明。
あのとき私にとっては『EVA』という作品は終わってしまった。
良い作品だと思ったけど、ただそれだけ。
そしてそのとき思ったのだ。「この作品はキャラアニメだ」と。
以後、それを証明するかのごとく、キャラの拡大再生産をするだけの続編というか商品展開というかがいろいろと出てきた。
でもその頃にはすっかりさめていて、話題になってるから情報としてとりあえず見ておくか、程度の気持ちで小屋にいったものだった。
思い出としては楽しませてもらった、でも後はひかなかった、という感じかな。
1995年という時点ではすごく楽しめたのだが。
ここで「アニメは日進月歩」というところに戻る。
3ヶ月ごと、あるいは半年くらいだと、豊作、不作の波はあるけど、3年、5年くらいのスパンになると、確実に進化しているのがわかる。
1996年から数年間の社会現象に近いブームとなったこととか、そういった前情報をそぎ落として、単純に独立したこの作品としてだけ見るなら、今年、あるいは現行のテレビ作品でも上回っているものはいくつかあるだろう。
アニメのどこに重きを置くかによって変わってくるので具体例は挙げないけど。
一応念のため、自分が漫画家、メーターだったときの絵のひどさは棚に上げている。あくまで一視聴者としての主観的感想であるので。