火星の月の下で

日記がわり。

◎シンデレラガールズに思う

当方、原作に相当するであろうゲームはしていないし、コミカライズされたものもほとんど読んでいないアニメだけ視聴していた人間なのだが、今期スタートの『アイドルマスターシンデレラガールズ』はかなり注目している。
もちろんアイドル活動とか主人公3人の成長ドラマとか、そんなのは正直どうでもよくて、シンデレラプロジェクトの中に、妙に引きつけられるアイドルがいるからだ。
その名は双葉杏
第2話で初登場したときに、他のメンバーとともに紹介されるのだが、こいつだけ椅子をならべた上で寝っころがっていて「働いたら負け」のTシャツを着ていて、やる気なさげにフラフラしているという、およそアイドルとか芸能活動とかともっとも遠いところにいそうなキャラ設計。
原作が発表された頃から見ていた人にとっては、何をいまさらと思われるだろうが、こっちはアニメで初見なのでインパクトが強烈であった。
第3話で「印税生活」というのも出てきたので、ひょっとしたらこういうのばっかりなのだろうかと思って画像検索してみたら「外出しない勇気」「だが断る」「働きたくない」とかいろんなヴァージョンが出てきて、けっこうな衝撃である。
ひょっとしたら二次創作のものも混ざっているのかも知れないが、そういう設定である、というのはビンビン伝わってくる。
たぶんキャラづくりがうまいんだろうなぁ、というところに帰結してしまいそうだが、この「働きたくない」というアイドルが(2次元上とはいえ)存在していることのすごさに、ただただ感銘である。
アイドルってのは被写体としての側面もあるので「こうなりたい」という要素よりも「恋人(妹)にしたい」という2人称的願望で見ている方が普通だと思ってたのだが、この双葉杏を見ていると、1人称的な願望で見ていたりするのだろうか、という気になってしまう。
キャラの数が多いのでいろんなヴァリエーションにして増やした、といったあたりが真相で、それほど深いところまでは考えてなかったと思うけど、このまるで「ニートの星」「ヒッキーの希望」みたいに見えるダラダラぷりは、アイドル設定ってことを考えると、かなり異彩を放っておりますな。アイドルでなければ過去にいくらでもあったキャラなんだろうけど。