◎『響け！ユーフォニアム』第10話

トランペット・パートのオーティション結果について香織シンパの優子が異議を唱えてもめる話。
また詳細はアニメブログの方に回すけど、気になった点をいくつか。
・キャラ作画。
いまさら言うまでもなく今期のトップランカー、ほとんど独走状態。
加えて繊細な表情の変化が物語を牽引していくというスタイルにもなっていて、現代における最先端表現かと思う。
・中川夏紀。
原作でもこの場面で一気にお話の中に入ってきて、その性格の良さがお話の救いになってくるのだけど、アニメではその流れがもっとスムーズになってた。
刺激的な部分はカットして、楽譜に激励を書き込む箇所を追加してその人となりを見せる、良い演出だと思った。
加えてそこに久美子の過去のトラウマを投影するのもうまくて、原作にもあったけどそれほど明確に結ばれてはいない。
この辺、映像で見せるアニメの良さが出ている。
・吉川優子。
めいっぱい嫌われ者を演じてるけど、原作第２巻では鎧塚みぞれを支える良き親友というのが描かれる。
感情の激しさはピカイチで、たぶんそんなに頭も回りそうにないのだけど、想いの深さや一途さだけは麗奈ともいい勝負になりそうなくらい。方向性が全然違うけど。
その知識の下で見ると、男子視聴者に嫌悪感を見せるような作りになっているにも関わらず、滝先生の噂を自分が持ってきたのではなく、別の部員からの伝聞情報に変更しているのはそこまで徹底的に悪役にはしない、ということで、第２期への布石と裏読みしてもいいのかなぁ、なんて気が少し。
・滝のいらだち。
これについては今回だけでは判断つきかねないけど、再オーディションの要請を香織から滝に変更した、その心理軌跡の表現ともとれるかな？
次回を見てからこの効果に期待するとしておこう。
・再オーディションの提唱。
原作からの変更点。
ここ、ホールを借りての通し練習のときに香織自らが言い出すところで、それを昨夜のアニメ第10話では滝先生からの提案という風に変わっていた。
今までアニメ効果を含んだ良い付け足しをやってたけど、これはちょっとどうかな、という思いも少しばかしある。
香織自身から再オーディションを望み、香織自身の口から麗奈の方が優れていることを認める、これこそが重要だったように思うのだけど。
ただし、名乗りを上げるところの描写をゆっくりとやって香織の決意と想いの深さをたっぷりと描写していたこと（それを見るあすかの笑み！）判断を全員にゆだねたこと、といったことがあったので、次回の再オーディションではそのあたりから圧倒的な実力差が描写されるのかな、という気もする。
今回一番気になったのはここ。
・１年生と上級生の対立。
麗奈に対する態度を巡って一年生と上級生が対立する場面がほぼカット。
葉月の同情っぽい発言が残されただけで、これは女子のドロドロした感情部分を整理したかったのだろう。
反面、防音毛布をしきつめての練習（原作にはなし）の際に、優子に噂を伝えた女子達が滝から離反の気配を見せ始めていたり、そのあたりで対立も少しにおわせている感じかな。
もうちょっと整理してから、アニメブログの方に書く予定。