火星の月の下で

日記がわり。

現代ビジネスの評論の質

「「大阪」とは一体何だろうか…「空虚な中心」が生まれたその理由」
(ps://gendai.ismedia.jp/articles/-/65441)
ヤフーに転載が載っていたのでそこからたどっていって読んだんだが、恐ろしく底の浅い論評。
「大阪は堺商人、伏見、近江商人らが融合したのでアイデンティティのない都市」と言っているのだが、その理屈なら全国から人の集まってきた東京はもっとアイデンティティのないところ、ということになりそうなのだが、「江戸っ子」という言葉を出して、むしろ逆のことをほのめかしている。
過去の大阪市史を開陳しながらいろいろと述べているのだが、データを出している割に結論があまりに浅薄。
衰退しつつある大阪という現実は確かにあるけど、その背景にある(あった)政府の東京集中政策についてはまったく触れられていない。
いかにも御用学者の意見、という感じで、こんな人物でも「民俗学者」と名乗れることに、苦笑がこぼれてしまう。
「大阪出身」という経歴らしいけど、大阪のダイナミズムと凝集力を全然見てこなかった人のようでありますな。