火星の月の下で

日記がわり。

本格推理・現時点のベスト10

推理小説ほどベスト10を作りたがるジャンルはない」といわれる。
ちょっと最近は本格ものは読んでないんですが、現時点のベストを記録しておきます。あくまで現時点、なんで、日々とともに変わるけど。
1作家1作品の原則で。・・・ただこの原則で行くと、自分の好みが反映しにくいんだよなぁ。。。
1.Yの悲劇(E.クイーン)
1作家1作品の原則なんで、とりあえずこれ。そうしないと、クイーンとカー、ヴァン・ダインで終わってしまいそうなんで。(^_^; 
クイーンからどれをとるか、ってことになると、他にXの悲劇、オランダ棺、エジプト十字架も候補に挙げたいけど、けっこう再読三読した記憶があるので。初読したときの衝撃と感動は、今も脳裏にこびりついています。
2.グリーン家殺人事件(ヴァン・ダイン
昔はビショップ殺人事件の方が格が上だと思ってた。緻密な論理、いかにも推理小説らしいシノプシス、探偵対犯人の純然たる知能ゲーム、どれをとっても素晴らしいし、今読んでも感動するところが多いけど、最近は、舞台設定の妙が生きてるグリーン家の方が好きです。
私は犯人の意外性よりも、論理の積み上げの方に感動しますし。
3.皇帝のかぎ煙草入れ(カー)
カーもどれを取るか悩むところで、昔は魔女の隠れ家と赤後家だった。フェル博士もH・Mも出てこないけど、最近はこの不可能犯罪が好き。
4.100%アリバイ(C・ブッシュ)
ブッシュなら10人中9人までが、完全殺人事件、なんだろうけど、私は昔からこっちの方が好きでした。
このアリバイトリック、いかにも古色蒼然としていて、ネットや携帯の時代に読むとさすがに辛いかもしれないけど、このシンプルさは好きでした。トリックはシンプルであるほど感動も大きい。
5.樽(クロフツ
実はクロフツに関しては、犯人側からの心理を描いたと倒叙小説「クロイドン発12時30分」が一番好きです。
6.黄色い部屋の謎(ルルー)
もはや古典。密室ものとしては、カーの赤後家とともに双璧をなす傑作。心理密室、という点では、今でも不滅の光があると思う。
7.黄色い犬(シムノン
フランスものからもう1点。シムノンの作はけっこうムラがあるけど、これはいいミステリに仕上がっていると思う。
8.大空の死(クリスティ)
クリスティは犯人の意外性がよく言われるけど、アクロイドなんか真面目なミステリ読みにとっては簡単にわかってしまうし、しかも論理破綻がけっこうある。本作はクリスティにしては、しっかりまとまっていると思う。
9.赤毛のレドメイン家(フィルポッツ)
10.矢の家(メイスン)
見事に黄金時代に偏ってるけど、まいっか。好み、ということで。
ちなみに、20歳前後の頃は、1.ビショップ殺人事件、2.エジプト十字架、3.赤後家の殺人でした。
国産ものは、論理よりも別のところに重点が置かれるので、ちょっと分けて考えたい、ということで、機会があれば項を改めて。