火星の月の下で

日記がわり。

『魔弾の射手』・クライバー版

風邪がようやく一段落つき始めた。台風接近のニュースを寝ながらぼんやり聞いていたりすると、なぜか突然ウェーバー『魔弾の射手』・狼谷の場面が聞きたくなって、風邪も治ったことだし、ということでポン橋へ出向いた。
もちろん、通販でも買える御時世だし、まだ風邪が治ってなかったら通販にしていたと思うけど、その他輸入盤とか、最近よく見てるドイツ浪漫派と周辺マイナー作曲家の影響も少しあって(笑)、ライネッケとかラフ、ロルツィング、ラインベルガーなんかもあったら見てこよう、と思って出てきたわけ。
メインは『魔弾の射手』だったので、散財する前にとにかくおさえとこう、と思って大手のCD屋に行くと、カルロス・クライバー版のものがドイツ・グラモフォンの原版でおいてあった。2800円。
これを買わない手はないだろう、と思ってこれにする。実は、横にフルヴェン版もあったんだけど、「指揮・フルトヴェングラー」としか記載がなくて、歌手とかまったく書いてなかったりしたので、少し不安だったのだ。(^_^;
クライバーの『魔弾の射手』は、当然LPレコード時代に箱で買っていて、大層驚かされた記憶があるけど、倉庫の奥深く眠ってしまっていることとか、そもそももうプレイヤーがないので、機会があつたらCDで買っておきたい、と思っていたところ。
レコード時代は、クライバーの名前よりも、シュライヤー、エディット・マティスヤノヴィッツっていう好きな歌手が歌ってた、っていうことが購入動機だったけど、当時、ほとんどレコードデヴューに近かったカルロス・クライバーを、レコ芸がもうこれ以上ない、っていうくらいベタ誉めしていたのも、当然あった。
序曲と狼谷の場面、それに1幕の頭のあたりをくりかえし聞いている段階で(・・・ちゃんと通して聞けよ(笑))詳細な感想はまだ書けないけど、やっぱりええわ、クライバーの魔弾。
狼谷の場面は、「ランメルムーアのルチア・狂乱の場」、「ドンジョヴァンニ・地獄落ち」のシーンと並んで、オペラの名場面としては、もっとも好きなシーン。いやぁ、ぞくぞくしますなぁ。(^_^)
悪魔との契約、っていうのは、18〜20世紀初頭まで、名作『ファウスト・悲劇第1部』に代表されるように、ドイツ演劇にはけっこう見られた手法なんだけど、ファウストも含めて、オペラとしてこのデモーニッシュな場面の創造に成功しているものは少ないと思う。
ファウストにしてからが、音楽として最初に思いだすのが、あのグノーだったりしてしまうありさまだし。(笑)
ザミエルが厳密に悪魔かどうかはともかく、音楽としてのここの緊張感はすばらしく、昔の感動が甦ってくるようだった。
つうことで、連休中だし、しばらくはこのクライバー版『魔弾の射手』に酔いしれまくろう、とダラけた決意をしてしまった次第。
このCDについては、気がむいたらまた書く。