火星の月の下で

日記がわり。

ヴィヴァルディのファゴット協奏曲

土曜日、DoGAの帰りに買ったCDがこれ。
・ヴィヴァルディ:バスーン協奏曲集 ホ短調/変ロ長調「夜」/ハ短調/イ短調/ハ長調
ミラン・トゥルコヴィッチ(バスーン)イタリア合奏団
実は、この5曲のうち、3曲まではレコード時代に、別録音で所有していたのだけど、もう再生はできないので、大好きなホ短調、それに好きなファゴット奏者トゥルコヴィッチのCDが1000円で出ていたので、買ってきてしまった。
実は正直に言うと、ピッコロ協奏曲の方を探してて、映画「野生の少年」で使用されていた、ハ長調の第2楽章・シチリアーノが無性に聞きたくなってたんだけど、なかったので、代わりにこっちを買ってきたわけだ。とはいっても、この曲も、以前から手許に置いて聞ける状態にはしておきたかったので、別に代替、というわけではなかったが。
ヴィヴァルディの木管協奏曲については、オーボエ協奏曲とともに、ファゴット協奏曲も好きで、今日ではあまり独奏楽器としては認識されていないファゴットだけど、ヴィヴァルディはこの低音木管楽器のために、36曲もの協奏曲を残してくれた。
ヴィヴァルディ以外だと、殆どモーツァルトのK191ぐらいしかポピュラーな曲がないので、たぶんファゴット奏者には感謝されてるんじゃないかな、と勝手に想像してりしているところだ。
バロックを見渡しても、オーボエやフリュートの協奏曲だと、大バッハのあまりにも素晴らしいニ短調とかアルビノーニとかいろいろあるけど、ファゴットというのは少ない。
ヴィヴァルディがなぜこれほどまでにこの楽器のために多くの協奏曲を書いたのか、勤め先の女子修道院用とはよく言われるけど、具体的にはどういうことだったのか、不勉強なため詳しくは知らない。
知らないけれど、その結果、こういった曲が聞ける喜びを残してくれたことには感謝したいと思っている。
さて、演奏のトゥルコヴィッチ。スラブの血は入っているものの、オーストリー系の音楽家で、確かな技術と洗練された表現力、ファゴットの魅力をあますところなく伝えてくれる名手で、オーボエのコッホ、ホリガー、クラリネットのライスターとともに、好きな木管奏者。
私自身が年をとってしまったせいか、聞き覚えのあるホ短調とか、変ロ長調が大変耳に心地よかった。
ホ短調は、昔10代の頃、けっこういろんな奏者の演奏で聞いたけど、トゥルコヴィッチの音色が一番好きだった。レコードを集めて、いろいろと聞き比べをしていた頃のことなんかを思い出してしまった。
最近は、ブラームスブルッフ、ラインベルガーといったあたりばっかり聞いてたけど、こうやってバロックを流している、っていうのもいいもんだね。特にヴィヴァルディとかアルビノーニテレマンていう辺りは、緊張をほぐしてくれるので重宝するよ。