火星の月の下で

日記がわり。

声優の関西弁

大江戸ロケット』、関西では激しく遅れてしまってるので、アニメブログの方ではとりあげてないけど、普通に面白いですな。
現在第3話で、大塩平八郎の乱が素材になってたんだけど、声優のあまりにひどい関西弁にかなり萎え。
最近は、関西出身の声優を関西弁担当にあててることが増えてきたせいか、ひところのようなとんでもない違和感は減ってきたけど、こんな良い作品で、ああいうひどいのを聞くと、ちょっとショボーンだったりするね。
とはいっても、今の若い声優に、関西弁を発声させるのはかなり無理があるかなぁ、とは思ってるところ。
大江戸ロケット』ではないけど、「〜さんは大阪出身なだけあって、関西キャラがうまい」みたいな感想をときどき見るのだけど、正直「そうか?」と思ってしまうことが多い。
まぁ、なんというか、東日本出身の声優みたいに、極端に違うイントネーションで、字面だけ大阪弁で、音としてはまったく違う、っていうほどひどいことはないものの、どこか変なことがしばしばある。
これはかなり前から思ってたことだけど、声優の発声訓練とか発話法とかってのは、アナウンス技術、さらに溯っては新劇の発声法あたりをルーツにしているので、畢竟関東音を土台にした発声を仕込まれているのではないか、と感じていた。
声優の訓練というのは直で見たことがないけど、アナウンサーや演劇関連の発声練習には何度か立ち会ったことがあるのと、実際の音が、そういう訓練を経てきたように聞こえるので、そう大きくは間違っていないと思う。
たとえ関西出身者であっても、発声そのものを関東音で叩き込まれてるから、普通に発声しようとすると、関東音になっているように感じるのだ。
一番強く感じるのが、ピッチアクセントの違いで、所謂高低調。
ピッチアクセントについては、諸説あるけど、上方音(京阪方言、というのには、ちょっと異論があるので、こう書いておく)については通例3つのピッチがあるけど、関東音には2つしかない、従って、関東音では軽く扱っても大きな影響は出ないけど、上方音の場合にはけっこう明瞭に違いが出てしまう、というものだ。
その結果、関東音はストレス・アクセント、いわゆる強弱アクセントの方を明瞭に響かせるので、その延長で関西弁を処理しようとしている・・・そんな風に聞こえることがしばしばある。
「〜さんは大阪出身だから関西弁がうまい」というのも、たぶんそう感じる人の近辺のことばなのでそう聞こえているか、もしくは正確な耳をもっていないかで、所謂正調の関西弁の特質がどこにあるのか、をあんまり理解していないんだろう、と思う。
アニメの関西キャラ程度でそこまで繊細な識別はたぶん不要だろうとは思うけど、演劇でのこういったアクセントの質の違いの表現を身近に見ていた身としては、どうも気になって仕方がないことがある。
いや、個人的な違和感ならまだしも、それを「正調の関西弁だ」ときめうちしてしまっている、関西出身者の感想を見てしまうと、違和感ではすまないむずがゆさ、のようなものがわきおこってくる。
よく、"hashi"の音の違いでの識別、と言われるけど、むしろ単母音語のときの変化が気になって仕方がないときがある。
ただ、ごく例外的に、声優さんでも、このピッチ・アクセントをうまく使っている人もいないではない。最近はこの人の関西弁を聞く機会がないが、今、大阪弁をしゃべらされている大阪出身のUさんとかKさんなんかよりはよっぽど達者なので、こういう人に回してほしいのぅ、とか思ったりはする・・・まぁ、無意味な願望ではあるが。(^_^;
それとこれは音とはまったく関係ない、どっちかっていうとヨタレベルの話なんだけど、関西キャラっていうと、2人称を「自分」と呼ぶキャラがかなり多いけど・・・昔はともかく、最近、そういうしゃべり方をする子供っているのかね?
関西に帰ってきて20年近くになるけど、どうもそういうのって聞いたことがないんだけどなぁ。。。
職業柄、ほぼ近畿全域の十代後半〜二十代と接しているけど、そういうしゃべり方は帰ってきてから全然聞かないんだが。それとももっと低年齢層・・・なのかなぁ。
子供の頃も、2人称を「自分」っていうしゃべり方は、大阪の方のコトバ、みたいな感覚で、神戸ではまったくといっていいほど聞かなかったし。
まぁ、ここらへんは生活圏が違うから、なのかもしれないが・・・。