火星の月の下で

日記がわり。

ヴィエニャフスキーのヴァイオリン協奏曲

日曜日に梅田のWaltyで買ってきたヴィエニャフスキーのヴァイオリン協奏曲のCD。以下そのデータ。
・ヴァイオリン協奏曲第1番 嬰へ短調 作品14(ヴィエニャフスキ
・ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 作品22(ヴィエニャフスキ
・伝説曲 ト短調 作品17(ヴィエニャフスキ
ツィゴイネルワイゼン 作品20(サラサーテ
Vn:ギル・シャハム
オケ:ロンドン交響楽団
指揮:ローレンス・フォスター
1990年10月・ロンドンにて録音。
ヴィエニャフスキの1番は、部分ごとにだとけっこう聞いてたんだけど(特に第3楽章)通して聞くのは、たぶん初めてに近いと思う。(大昔にFMラジオなんかで聞いたようには思うんだけど、音盤をちゃんと買ってきて聞いたのはたぶん初)
そんなわけでこの曲が一番興味があったわけだけど、通しで聞いてみると、楽想が先行しすぎてて、曲としてのまとまりがかなり悪い。つまりメロディやパッセージがあっちゃこっちゃとびまわる、妙につぎはぎ感の残る曲。
パッセージの中にはけっこう良いものもあるのに、トータルで聞くと、なんか散漫な感じがしてくる。
作者十代のときの作品らしいので、そういう若さ、幼さがかなり出ている印象である。
くわえて、ヴァイオリンの技巧パートも、いかにも腕自慢のソリストがそれを優先して作ったように感じる曲で、何回も聞いていると飽きてきそうな感じはかなりする。
ただ、さしはさまれるメロディラインのエモーショナルな芳醇さはかなり感じるし、歌う楽器・ヴァイオリンの特性はよく引き出していると思う。
スラブ的な楽想ではあるけれど、スタイルとしてはドイツ音楽を勉強途上、といった感が強い。
そこへいくと第2番は、やはり代表とされるだけあって、よくまとまっている。
ドイツ音楽の亜流のようなオーケストレーションではあるけど、メロディラインが個性的なので、聞いていて楽しいし、レコード時代から聞きなれていることもあってか、良い曲で、普通にシャハムの技巧を楽しむことができた。
もちろん第1番でも、シャハムの演奏には文句をつけるところもそれほどないのだけど、曲の完成度がこれほど違うと、やはりよい曲の方に技術を強く感じてしまうのだ。
とはいっても、決して第1番がつまらない曲だ、というわけではない。
いかにもロマン派の協奏曲といった歌はなかなか耳に心地よいし、2番と連続して聞けばこの作曲家の成長の足跡がうかがえるような楽しみもある。
なお、ロマン派の協奏曲には珍しく、最終楽章が短調終止である。
第1楽章が長調終止をしていたので、ちょっと意外に感じてしまったが、これはこれでいいと思う。
もう一つの伝説曲は、しっとりとして良い曲で、協奏曲ほどのハデさはないが、なかなかロマンティックなメロディだった。
最後にサラサーテツィゴイネルワイゼンが収録されていて、これがかなりの違和感。
いゃ、もちろん演奏も立派だし、技術のさえには酔わせてもらったけど、あまりにもヴィエニャフスキと違うので、なにげなく続けて聞いていて、ちょっととまどってしまった。(笑)
つうことで、簡単な感想。
なんかまた思うところあったら追記していきます。