火星の月の下で

日記がわり。

△国別人気投票

特定アジアニュースさんとこより、日本は世界に好い影響を与えているby BBC
いろいろなものが見えてくるけっこう面白い情報なんだが、注目したいのは、日本の影響度云々とかではなくて、下の方、各国別の日本の印象度。
欧州諸国では、英、伊、露、といったところでの印象がよく、調査国の中ではドイツはそれほど日本を評価してはいない、という数字。(とはいっても肯定的52%、否定的32%ではあるが)
日本国内での、対欧州の人気投票をするとすれば、たぶんドイツはかなり上位に来そうではあるが、ドイツ人は、少なくとも他の欧州人ほどには日本を好意的には見ていない、というのがわかって、なかなか面白い。
もちろん、この背景には、ドイツの製造業に、日本と拮抗する業種が多いということなんかも関係しているとは思うけど、一番日本人が勘違いしやすいのが、黄禍論とナチズムである。
ドイツに好意を持つ日本人の中には、先の大戦で同盟国であったことからシンパシーを感じている人がかなりいるし、ひどいのになると、ナチズムがかっこいいので好感持ってる、っていうのまでいる。
しかし、ドイツ人にとってはあの大戦とナチズムは悪夢の時代であり、程度の差こそあれ、あんなものを賞賛している民族とは仲良くなれっこない、という感覚がかなりの程度ある、ということだ。
よくミリヲタ連中が言う「次はイタリア抜きでやろう」と言うジョーク、まともなドイツ人なら、たとえ冗談でもまず言わないと思うのだが、これがドイツ人全体の意識のように誤解している日本人がかなりいる。
この言い回し自体はずいぶん昔から聞いたことがあったので、ひょっとすると、まだ戦後直後の、まだナチ犯罪が今ほど白日の下にさらされてなかったり、敗戦がイデオロギーではなく単なる勝ち負けの結果という方に力点が置かれてしまっていた結果、ドイツ人からもれてしまった、という可能性もあるだろうけど、今だとちょっと考えられない。まぁ、観光商売としてのリップサーヴィスならギリギリあるかな、という気がしなくもないけど。
そして黄禍論。
ドイツは黄禍論・発祥の地である。
70年代くらいの話だが、バイエルンとかの田舎に行くと、アジア人だ、というだけで、けっこう嫌な目で見られる、というのは普通にあった。
ドイツでの黄禍論というのもこれまた誤解があって、ユダヤ人のことだ、と解釈している人もいて、アジア人は皆割礼したユダヤ教徒だ、なんて思ってる農民なんかもいた。さすがに今はもういないと思うけど。
しかしともかく、印度以東の巨大人口が世界に災厄をもたらす、という感覚はけっこうあるので、上のナチ問題とあわせて、日本人を好意的に見ている人は、欧州の中では少ない方だろう、というのは感覚的にかなりわかる。
まぁ、好き嫌いの人気投票ではないので、嫌いでも好い影響の方に、好きでも悪い影響の方に入れている人もいるにはいると思うが。
日本のサブカルが今ほど流布する前だと、欧州で対日好感度の高そうな国は、断然フランスとソ連だった。
ところが、フランスはともかく、ソ連は当時、日本ではまったく人気のない国だったので、日本人の片思いとか、国民感情っていうのはまったく伝わってないんだなぁ、というのが彼の地での感想でもあった。