火星の月の下で

日記がわり。

▽ノーベル賞

まず、文学賞
ルーマニア生まれのドイツ人ヘルタ・ミュラーが受賞。
そんなに数を読んでるわけでもないが、こういう人が受賞するのなら、日本人の受賞者は当分ないだろうな。
毎年、というわけでもないが、文学におけるアンガージュマン、あるいは政治思想性、しかもそれに対して、深く知的な構築がなされている、ということが文学賞においては重視される。
これはノーベル賞に限ったことではなく、西半球の文学賞ではよく見られる基準で、日本の浮世離れした文学とはかなり基準が違う。
日本にも政治文学、思想文学はあるが、どうも「純文学」とはみなされない傾向があるからね。しかも、そういう分野ではかなり稚拙だし。
日本ではそれほど知られていない賀川豊彦氏が、先の敗戦直後に2度、候補に上がったのも、この文脈で理解できる。*1
そして衝撃の平和賞。現役の米国大統領が受賞。
まず最初に思ったのが、今後米国が他国に軍事介入したり、戦争になったらどうするんだろう、と思ったこと。
今回のこの平和賞は、オバマがそういう暴走をしないように、という首輪の意味合いもあったのだろうか、よく言われるように、平和賞というのは、高度に政治的な賞だし。
今後、どこかに軍事介入しそうな可能性はプンプン感じるんだが・・・。
核廃絶交渉が受賞理由のようだが、一方で、
「温暖化交渉に弾みも」 国連本部は喜びの声一色

国際協調路線を掲げるオバマ米大統領へのノーベル平和賞決定の知らせにニューヨークの国連本部では「驚いたけど歓迎だ」「地球温暖化対策の交渉に弾みになるかも」など喜びの声があふれた。

こういう声がでてくるあたりに、国際的な環境893の暗躍も考えられるところではある。
そしてまた、こういう声もある。
「なぜ、オバマ?」 戦火のアフガン、疑問の声

今回の平和賞にはアフガンの女性人権活動家シマ・サマルさんが候補者の一人と報じられていただけに「彼女の方がはるかにふさわしい」という声も多かった。

ノーベル平和賞の主旨、理念としては、こういう考えの方が筋が通っていると思うのだが。

*1:最初の文学賞受賞者・川端はかなりエキゾチシズムで選ばれたと思っている。従って、もう今後、川端のような政治思想性よりも情緒の勝ったスタイルで選ばれる可能性は希薄だろう。