火星の月の下で

日記がわり。

蛇を愛して40年

年末なんで、いろいろと「振り返って」系の特集をやってみたいで、特に今年はゼロ年代最後、ということもあっていろいろと回顧しているところが多かった。
うちも気が向いたらやってみたいけど、今とてもそんなことができる状態ではないので、冬コミから帰ってからにする。
それで少しばかしわが愛する蛇と蜥蜴のことについて少し、回顧的なことを書いておこう。ゼロ年代どころか、前世紀半ばくらいまで逆行するけど。(^_^;
蛇を飼い始めたのは小学生時分。従兄弟が蛇を捕まえてきて飼っているらしい、と聞かされてそれでちょいとばかし興味があって始めたのだが、その後、従兄弟の父、つまり伯父に聞いたところによると、単に捕まえてきて数日キープしていただけ、とのことだった。
ところがこちらは捕まえてくると、その魅力にメロメロになってしまった。1960年代の半ば、東京五輪の前後頃である。
それ以前からかなり根暗なインドア派だったこともあって、小学校から帰宅するや本を読んでアニメを見るだけの生活。そんな中で、蛇神や竜の出てくるものはすこぶる好きだった。そういったあたりの影響もあったのだろう。
最初は蜥蜴を飼ってみよう、と思ったが、蜥蜴はすこぶる難しい。特に国産の小型種、スキンクやカナヘビなんかは、予備知識の少ない小学生の手に負えるものではなかった。
今と違って専門誌もなく、飼育のための資料としては現在から見るとかなりいい加減な子供向け理科関係の本と、子供にはとても手が出ない高価な専門書しかなかった。
当然、海外の爬虫類を扱っている店など近くになく、購入して飼育する、なんていう感覚はとほんどなかった。全部山へいって捕まえてくるのである。
子供ではあったけど、それでも毒のあるマムシと、それ以外の青大将、シマヘビの区別くらいは知っていたので(母方が農家だったので、母方の祖父に教わった)山へ行くのだが、インドア派にはけっこうきつかった。
そうこうして、青大将を飼育し始めたのである。当時子供が山で簡単に遭遇する可能性のある蛇としては、青大将、シマヘビ、マムシくらいで、ヤマカガシはかなり奥にいかないと遭遇しなかったし、ヒバカリはすばしっこすぎて捕まえるのは困難だった。それ以外の種については、知識としてはあっても、子供の山歩きではまず遭遇しなかったのだ。
青大将を飼育し始めると、当時の子供向け生物の本なんかでは、「ネズミをあげてはいけません、夜店で売っているヒナをあげましょう」なんていいかげんなことを書いてるものもあって*1けっこういろいろと試行錯誤の連続。
特に餌のマウスやラットなどは今みたいに爬虫類ショップが手近にあるわけではなかったので、ネズミ捕りで捕まえたヤツなんかを床下で飼ったりして殖やすのだが、これがまた一苦労。
当然、今みたいな便利なペレット餌料なんかはまだそれほど普及していなかった時代ある。衛生面の問題も、今では考えられないくらい深刻なものだった。
いったい蛇を飼ってるのか、ネズミを飼ってるのかわからん感覚になっていった。
70年代に入ると、熱帯魚屋なんかに、亀や蜥蜴が入るようになってきた。
当時のスターはミズオオトカゲ。
たまーに、ではあるけど、あの巨体が熱帯魚屋に入ることがあって、それこそ毎日のように見にいっていた。
やや遅れて、外国産の蛇も熱帯魚屋なんかで見るようになった。同時に蛇屋、みたいな、昆虫や蜥蜴に混ざって蛇も売っている店が少しずつでてきたのもこの頃。
ショーケースの中で始めて見たのが何だったのか、かなりぼやけているんだけど、イエローラットスネークだったかなぁ、と思う。全然自信がないが。
ただ、飼育方法が依然としてわからなかったので、ショーケースの中の生物を憧れをもって眺めていただけだった。
そして、日中国交回復。物産展なんかが開かれて、いろんな生き物がかなり安価にやってきた。
その中に、高砂蛇(マンダリン)や、唐大将(アムールラット)なんかもあり、このあたりから、外国産を飼うようになってきた。ニシキヘビ(ビルマニシキ)なんかを目にするようになったのもこの頃。
・・・あんまり具体的に書くと特定されかねないので、この辺にしておく。(^_^;
で、ゼロ年代に入ってくると、90年代までのパターン、色が綺麗なもの、生態が変わっているもの、なんかよりも、地味で目立たないけど、蛇飼育の醍醐味が味わえる、基本的な小型種の方に関心がいっている。だいたいこの10年は、念願の一戸建てで、蛇専用室を作り、そこで愛する蛇たちとの同居生活を堪能しているのだが、さすがに寄る年波にも勝てなくなっているので、飼育から離れてしまう日も、そう遠い日ではないなぁ、と少しさびしくなることもあるが、そういったときがくるときまでは飼育を楽しみたいと思っている。

*1:青大将の餌としては、当時、マウス、ヒナ、カエルなんかが候補にあがっていたが、経験的に、ヒナではどうも育ちが悪く、カエルでは年間通して給餌できない。それでこういった本に書いていることに対して、かなり懐疑的だったのだが、今にして思えば、子供がマウスやラットをさわるときの衛生面を考慮していたのかな、という気も少しばかりする。とはいっても、間違った知識なので、いい加減なこと書いてたな、というのは、現在も少し思っている。