火星の月の下で

日記がわり。

△江川事件を美化する人たち

朝、ビデオ編集が終わって、なにげなくテレビをつけてたら、先週の有名人の訃報、というのをよみうりテレビでやってて、小林繁投手が取り上げられていた。
その中で、江川事件が取り上げられて、もう美化のしまくりで、しばし唖然。まぁ、よみうりテレビ(製作は日テレだと思うが)なんで仕方ないとは思うが。
いろいろあったけども、その中でに気になるひとこま。
「当時は江川さんが悪役で、小林さんが善玉みたいに映ってた」という、ゲストコメンテーターのことばなんだが、いったいなんだ、この世論誘導。
江川とその一派がやったのは、どう見たってルール違反の横紙破りで、良い悪いじゃなくて、ルール違反なのだ。それも自民党の代議士(船田某)を巻き込んでの、かなり嫌らしい工作である。
小林投手が運命にもてあそばれた被害者、みたいな論調になるのはまだ理解できる。
しかし、江川の方は主犯であり、加害者であって、決して運命に翻弄された側ではない。まぁ、厳密には犯罪ではないので、こういう言い方は比喩ではあるけど、というのを一応念のため。
江川の球界永久追放*1と、読売巨人の解散、もしくは関係者への重い罰金にまでもっていけなかった、当時のコミッショナーの腰抜けぶり、そして巨人に離脱されることを恐れた、広島を除く当時10球団の不甲斐なさは、今思い出しても腹立たしい。
どこのチームが好き、とかっていう以前に、プロ野球そのものに嫌気がさしてしまった事件だった。
当時、江川が2ヶ月の謹慎処分をとかれてから、スポーツ・メディアなんかかで言われていたことを思い出す。
「話してみると、江川も良いヤツだったから、もう許してやったらどうだ」という記者のことば。たしか「週刊ベースボール」にも載っていたと思う。
世間が怒り、そしてニュースになったのは、人柄が良いとか悪いとか、そういったことではなく、ルールを破ったことに対して、だ。
その後の記者会見なんかでの、江川の挑発的な態度なんかも、とても人柄を云々していいレベルではないと思ったし、問題のすりかえを必死にやってる印象でもあった。なにより自民党の政治家と組んでた、というのも、相当に問題があったし。
小林繁氏の訃報が伝えられてから、江川が「小林さんに謝りたいとずっと思っていた」と、個人間のことにようにすりかえようとしていたようだったが、謝罪すべきは当時の多くのプロ野球ファンに、だろう。
ということで、日曜の朝、ちょっと不快な気分になってしまいましたとさ。

*1:事実かどうかも確定する前に、永久追放処分を出してしまった「黒い霧」事件との、あまりの対照性に驚くばかりである。