火星の月の下で

日記がわり。

○天才連呼と神連呼

「天才ばかりを集めてつくられた学園で起こるドタバタラブコメディ」みたいなノリでやってるテレビアニメがあって、そこであきれるくらいの天才連呼。
天才エロ小説家に始まり、天才写真家、天才歌手、天才クラリネット奏者、天才プログラマー、天才数学者、そして昨日は天才マネージャーなるものまで出てきて、もうことばのインフレとかの領域さえも越えてしまっている。
そういう登場人物達が、本物の天才ならまだしも、ただちょっとそっち方面が好きです、といったレベルで、いずれの人物にもそういった描写が微塵もなく、主人公たる天才エロ小説家がときどき書いた文章なるものも出てくるのだけど、あきれるくらいに古くさい上に、まったく文章もお粗末で「この世界ではこの程度で天才なのか」というのを毎回かなりしっかりと確認させてくれる。
現実の幼さ、若さと、類稀なる才能とのギャップ、というあたりの面白みを狙っているのかもしれないが、だとすると今期は『日常』「はかせ」という素晴らしいキャラクターがあるので、はるかに見劣りをしてしまう。
少なくとも「ギャップからくるギャグ、笑い」にはなっていない。
原作を全然知らないので、アニメを見ての感想であるが、原作だと「天才」の部分はそれらしく書かれているのだろうか。でもこのプロットだと、たとえそういう描写があっても、おして知るべし、という感じもするけど。
アニメ絵は、藤田さんのキャラデがすごく可愛いくて、視聴価値がものすごく高いものの、お話の部分でそうとう萎える。
この作品ほどには突出してないけど、今期はもうひとつ、天才を自称するライバルがやたら天才を連呼する、学園ダークファンタジーなんかもあっても、天才連呼があふれかえっている。
つまるところ、ヴォキャブラリーが貧困なだけ、なんだろうけど、ネット上でやたら見られる「神連呼」ともども、言葉が実にやすっぽくなっていく感じではあるな。
かつて将棋の大山名人が
「天才とか神童とか言われているうちはまだまだです」
という名言を残してくれているが、アニメ、マンガの世界でも少しいじってみれば使えるような気がするね。
「神とか天才とかの常套句を何度も使っているようでは、まだまだです」・・・ラノベもいれるならここに「悪魔」も追加してもいいかな。