火星の月の下で

日記がわり。

○NHKカルチャーラジオ「エドガー・アラン・ポー」

今日からNHKラジオで、エドガー・アラン・ポー 文学の冒険家・・・というのが放送される。再放送は明日金曜日の午前10時から。
今日の第1回は「アメリカ・ルネッサンスの光と影」と題して、今日的視点からの、当時の時代状況、及び評価についてだったので、それほどポーが重点的に取り上げられてはいなかった。
・・・というわけで、感想としてはまだ書くほどのことではないが、アメリカ文学者によるアメリカ文学としてのポー、という立脚点らしいことはわかった。
これはともすると、我々が幻想文学史の中で見てしまうポーの像とはかなり違っているようなので、案外新しい発見があるかも知れない。
ただロマンチシズムを「夢の文学」なんて言われると、ちょっと抵抗があるが、まぁ、北米文学史観としてはそういう扱いなのだろう。
ついでに言うと、19世紀半ば、というのは、わが中欧文学の視点からだと、もうロマン主義の波はすぎさってしまっていて、市民主義、自然主義の時代へと移行しつつある時期だった。
ただし、この辺は地域や言語文学にとってはかなりの時差があるので、それはそれでいいのだけれど、どうしてもいつも中欧文学視点で見てしまっていることもあってか、ポーをロマン主義の枠内で語られると、かなり意表をつかれたような感覚になる。
というわけで、今後どんな話が飛び出してくるのかわからないが、表題に上がっている作品としては、詩『アナベル・リー』、小説『黒猫』『アッシャー家の崩壊』『赤き死の仮面』『群衆の人』『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』『ホップフロッグ』『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』といったあたりなので、それなりに予想がつきそうだ。
かつて、ポーの代表作というと、『アッシャー家の崩壊』『黒猫』『黄金虫』、そして詩ならば『大鴉』だった時代もあったので、このセレクションはワタクシの趣味ともよくあうので、その切り口を楽しみにしたいところである。
ただ小説としては『アッシャー家の崩壊』と『ベレニス』『モレラ』といったあたりの方が好きなんだよなぁ。(笑)