火星の月の下で

日記がわり。

○『平清盛』 第29話 滋子の婚礼

滋子(後の高倉天皇母・建春門院)のキャラが、もうめちゃくちゃで思わず苦笑い。
絶世の美女だった、と伝えられるのに、あの配役は・・・と思ったけど、まぁ、美醜は人の主観なんでひとまず置く。
問題は、ズカズカと上皇居室近くに行って鼻歌を歌ったり、同一目線で説教したり、なんかもう、ね。
感覚が少女マンガなんだよなぁ、それも平成の。
清盛や時忠に自分の好みを平気で言ってみたり、それに清盛らがオタオタしたりと、歴史ものやってる、っていう自覚があるのかね、この脚本家は。(^_^;
後白河への輿入れは、次の高倉帝を産む経緯、そしてそこから安徳帝の悲劇へとつながるので、たしかに重要ではあるが、それは系図上の大事であって、恋愛事件として重要なのではない。
心情の問題で言えば、重盛と清盛の間の軋轢、あるいは少しだけ出てきた頼政との関係、こっちの方がはるかに重要なのに。
それに対して、美術とか衣装とかは頑張っていたと思う。
再三書いてきた「宮中の空間」の問題も、少しましになったかな、まだ十分と言うにはほど遠いけど。
ただ衣装は頑張っていたのに、清盛の子供達を十把一絡げで任官と一緒にまとめてしまったりで、脚本家の頭が悪すぎるため、かなりマイナスになっている。いや、装束・美術は頑張ってると思うよ。
清盛亡き後、平家の精神的主柱となり、貿易立国の思想を正盛−忠盛−清盛から受け継いでいく知盛が登場してきたのに、字幕扱いで終了。
このバカ脚本家は、学校で日本史を履修しなかったのかね?
この若い頃の知盛の知見、体験を語るのは、平家の歴史的意義を知る上で、同時に日本の貿易立国のイデオロギーを知る上で重要なんだけど・・・少女マンガ感覚で本を書いてるような人じゃ、無理だろうな。
次回、平家納経。
崇徳院の祟りが出てくるらしいので、特撮だけを目当てに見ることにしよう。