火星の月の下で

日記がわり。

▽ロシアの対支那恐怖

強くなりすぎた東方の超大国・・・ロシアNOWの記事。
ロシア連邦側の対支恐怖が至る所にあふれているが、その中で、興味深い一説があった。

戦略的リスク
三つ目は、戦略地政学的な理由だ。現在、ロシアの環太平洋地域への“シフト”について多く語られているが、「東方」が「中国」しか意味しないのはなぜだろうか。
太平洋を東方に進むと、西側にたどり着くのに。
ロシア東部で、ウラルやロシア西部と同様の産業クラスターが形成されるならば、ロシアの国力が増大するのは確かだが、中国だけが東部開発の頼りなのだろうか。ロシア極東は「ロシアのカリフォルニア」になるべきで、バルト海沿岸と同じように太平洋沿岸でも足元を固める必要があるが、それには、中国に支援を頼むよりもかえって中国ぬきの方が簡単に達成できる。中国は北方に競争相手をもつ気はないからだ。

3つのリスクを挙げていて、その中の一つがこれ。
ロシア極東をバルト海沿岸のバルト三国のようにしたい、というのはたぶんロシアの本音だろう。
そしてポイントとして、協力すべき國は支那ではなく、日本、米国、韓国である、と続ける。

ロシア極東の発展に必要な技術をもたらしうる国とは、自ら多くの新技術を生みだしており、中国に依存しない工業中心地域の出現に関心をもつ国だ。
つまり、日本、韓国、アメリカである。
この3国こそが太平洋地域の主要なパートナーだ。
日本と韓国がシベリアの重工業発展の主な原動力となるように、ロシアは努力しなければならない。

北方領土の一部返還も
そのためには、ロシア外交に目に見える変化が必要となってくる。
まず、日本とは平和条約を結ばねばならない。
その際、経済的、政治的協力関係の利点を明確に理解した上で、領土問題になっているクリル諸島(千島列島)の一部を返還することは、裏切り行為ではなく、逆にロシアの国益を守ることになるだろう。

半島と結んだら、対支那以上に没落するぜ、と思ったのはひとまず置いといて、クリル諸島の一部を返還してでも、という一文は、かなりつっこんだ内容ではなかろうか。
原文を見てないので、はたして本当に「返還」と書かれているのかどうか*1といったところはあるが、クリル諸島と書かれているので、歯舞・色丹のことではなく、国後・択捉のことだろう。
どの程度、政府の意向が反映されているのか不明だけど、とにかくロシア側から歩み寄ってくれるのであれば、進展する可能性は感じる。本当は日本側から、もっと継続的でかつ柔軟、前向きな姿勢を常に見せてほしかったのだが。
楽観論で現実を見ていない、とも言われそうだが、ロシア側の対支恐怖は本物なので、もしこれがある種のシグナルだとしたら、日本政府にはしっかり立ち回ってほしいんだが・・・。
前からさんざん書いているが、ロシアとは友好になってほしい。
過去に不幸な戦争、不誠実な条約破棄*2等はあったし、直近でもサハリンIIの裏切り行為もあったが、それでも支・韓・朝3国に比べればはるかにましな国だ、というのはいえると思う。
私が生きている間には実現しないだろうけど、日露は友好関係を築いてほしい、と願っている。

*1:割譲、貸与、の可能性も感じるので。

*2:日本側からは不可侵条約のことばかり取り上げられるけど、ソヴィエト側(当時)にも、日本が不誠実な対応をやった、という認識はかなりあった。満州国でのいろいろ、シベリア出兵等。