火星の月の下で

日記がわり。

すがやみつるの漫画講義

「マンガは理論で成功する」――すがやみつるが考えるヒット作を生み出すための仕組み
すがやさんの、漫画を「教える」「伝える」側からの実践的精神。
かなり大切なことをわかりやすい文章でかみ砕いて語ってくれている。
今まで「漫画の描き方」等でよく言われてきた法則性理論、スピリットなんかを「具体的に」語り直してくれているようだ。
インヴューなので、その全てを詳細に、というわけではなく、それぞれについて少し例をあげているだけなんだが、たとえばここ、4コマについて。

例えば4コママンガを描けると、とても自信がつきます。僕は、大学院で4コママンガの描き方を理論メソッド化し、誰でも描けるようにしました。「1,2コマ目は朝起きて何をしたのか」「3コマ目で今日失敗したこと」「4コマ目で、それでも負けない自分を描く」――。これでポジティブなオチが付いたマンガのできあがりです。

「起承転結」なんてありふれたことばを使わずに、それは具体的にどういうことか、ということから入っていく。
あるいはまたキャラクターデザインの現状について、ほんの少しだけだが実例も挙げている。
やはり現場の人、何十年もこの世界で戦い、生き残ってきた人は言うことが違う。役に立つし重みがある。

マンガ家は一発屋ではいけないんです。僕は、1年で100万部売れるよりも、1年ずつ10万部売って、10年描きつづけたいと考えました。細く長く、プロとして続けていく道を選んだわけです。10年で100万部売る方が税金もかかりませんし(笑)

ここなんか、数年で現場から逃げ出してしまった自分*1にとっては耳が痛い。編集とのつきあい方なんかもそう。
なんか久しぶりに漫画関係のインタヴューで有意義なものを読んだ気分だ。

*1:一応デヴューそのものはすがやさんより数年早いのだが。