火星の月の下で

日記がわり。

◎海文堂、9月で閉店

神戸の老舗書店も閉店 後継者不足、ネット販売に押されて経営不振

神戸の海文堂書店は、1914(大正3)年、海や船舶・港湾など海事関連書の専門店として創業。1970年代には海事書に加え、児童書や人文・社会分野の本も取り揃え、総合書店に転身。さらに郷土関連書籍を集めた「神戸の本棚」や、月刊通信「海会」や雑誌「ほんまに」の発行を通じて神戸の活字文化の発信地となっていた。

神戸にもう住んでいない身なので、「残念だ」「続けてほしかった」なんていうのは勝手なエゴだというのはわかってはいるが、それでも「残念だ」という想いが切々と身のうちにわいてくる。

海文堂書店は新刊書の販売とともに古書店の振興にも積極的だったが、兵庫県内では神戸・三宮センター街の「後藤書店」(2008年閉店)や、大正時代の創業で灘区の「宇仁菅書店」(12年閉店)などの歴史ある古書店が相次いで姿を消した。いずれも、後継者がいなかったことが理由だ。

漢口堂、後藤書店、海文堂・・・十代の頃、ものすごくお世話になりました。
今日のワタクシの読書傾向、文学傾向に、これら神戸の名門書店は多大な影響を残してくれた。
それを思うと、いかにも文化が途切れていってしまうようで、悲しい。
後藤書店の2階に上がったときのあのワクワク感、洋書古書の中から掘り出し物を見つけたときの感銘、なんとか金を貯めてそれを手にした時の喜び。
あるいは海文堂のしゃれたブックカバーや栞、文具店のようなレジ付近のハイセンスなつくり。
今も目を閉じるだけでそういった昭和40年代の光景がまざまざと思い浮かぶ。
悲しいことだけど、慈善事業でも公的ビジネスでもないのだから、時代が変わり経済に影響を受けるようになってしまうと仕方のないことなんでしょう。
勝手な思い込みではあるけど、ここに、長い間ありがとう、と記すくらいのわがままは許してほしい。