火星の月の下で

日記がわり。

逆流現象に見える

文芸+ラノベ 大人向け小説レーベル「富士見L文庫」創刊
小見出しだけ見たら、新しいライトポルノが始まるのか、と思ったけど、そういうことではなく、一般文芸よりのライトノベルレーベル、ということらしい。

「L」は文芸(Literature)とライトノベル(Light Novel)の頭文字から来ている。
文芸とラノベの融合が化学反応を起こすというのがコンセプト。
「キャラクターを引き立たせながらも、中高生向けの『ライトノベル』とは一線を画し、さらに読みごたえのある『ストーリー』と『世界観』を重視した」作品ラインアップとしている。

角川なんで「文芸」と銘打っていても、所謂純文学、芸術文学(審美主義)ではないと思うが。
これがどうなるかは編集の腕、集まる作家の力量、人選によるのでなんとも言えないけど、こういう風に宣言して出してくる、というあたりに逆流のようなものを感じる。
一般文芸→大衆小説→ライトノベル→一般文芸、のような。
もっとも戦後に限ってみれば、最初の「一般文芸→大衆小説」というのが既に過去のことで、ほとんど同時スタートではあったけど。
どうなるのかはお手並み背景、と言ったところで、文芸が隆盛になってくれるのであればそれはそれで良いことだと思う。
唯一の懸念材料は、これに引きずられて一般文芸の方が細く貧しいものになってしまうのではないか、ということくらいかな。
記事を読む限り、文芸よりというよりはラノベよりなスタンスの様に見えるので、杞憂かも知れないが。