火星の月の下で

日記がわり。

ゴーゴートリトン

MBSの深夜に『海のトリトン』を2話連続放映してくれている。
なんか懐かしくて涙がでますな。
メインアニメーターの羽根さん、と言えば当時の花形アニメーターさんで、ヤマト以前だと、荒木さんより、羽根さんとか、白土さんとかの方が人気があったと思う。
今で言う、腐女子貴腐人、に相当する、当時の女性アニメファンに絶大な人気を得ていた作品だったけど、私も好きでした。男ですが。
ヤマト登場で、アニメファンのムーヴメントがかなり変わってしまったので、ヤマト以前とヤマト以後でファンの作品への接し方はだいぶ違うけれど、そのヤマト以前で、女の子に人気のあるアニメっていうのが『サイボーグ009』(モノクロ版の方ね)、『レインボー戦隊ロビン』、それにこのトリトンだったと思う。
統計とかとったわけでもないけど、昭和40年代の「まんが大会」や「復活上映委員会」なんかで、いろいろと話を聞いていると、だいたいそんな感じ。一応、関西だけでなく、首都圏や名古屋、福岡といった土地の大会や上映会にも出かけていったことがあるけど、概ねそんな感じだった。
まぁ、私は、モノクロ時代だと、断然『ソラン』で、次が『遊星仮面』、『どろろ』だったけど(どろろは時代的に少し後ではあるけど)カラーアニメ初期の作品だと、トリトンが好きだった。もちろんモノクロ009やロビンも好きな方ではあったけどね。
妹と一緒に見ていた頃、あるいは放映が終ってから、の上映会での熱狂的な女性ファン*1と楽しく話をしたり語りあったりしたことを思い出してしまう。
手塚の原作が、かなり社会風刺色の強いものだったのに対して、テレビアニメの方は、海洋伝奇もの、としての性格を明確に打ち出し、敵方であるポセイドンの魔人たちの個性あふれる姿、その魔人達と、3〜5話づつくらいかけて戦っていく、重厚な戦闘物語、そしてラストでの、ポセイドン一族の意外な本心等、2クールの中で、実に雄渾なドラマが語られていた。
当時は、ピピよりも、ヘプタポーダの方が人気が高かった。少なくともアニメ版では。
クラゲが長い触手を伸ばして「トリトン、ミツケタ・・・」と通信する神秘的なシーンなどは、後年、同じ冨野氏の『勇者ライディーン』にもいくつか同様のセンスが引き継がれていたはずだ。
とにかく、ドラマ描出という点において、エポックメイキングとなった作品。
絵などはさすがに時代の古さがありありとあるけれど、ドラマの秀逸さは、今でも決して見劣りしないと思う。

*1:といってもあくまで当時としては、であって、今の水準からすると、それでもかなりおとなしいと思う。