火星の月の下で

日記がわり。

ラインベルガー・オルガン協奏曲第1番へ長調・作品137

『ヴァイオリンの歴史的名盤』と一緒に注文していた、Naxosレーベルのラインベルガー・オルガン協奏曲が届いたので、さっそく聴いてみた。
以下、CDのデータ。
オルガン:ポール・スケヴィントン
指揮:ティモシー・ロウ
オケ:アマデウス管弦楽団
2005年8月発売。録音:1999年4月米ヴァージニア州マックリーン、セント・ルーク・カトリック教会。
3楽章構成で、第1楽章 Maestoso。
一応、急-緩-急の3楽章構成なんで、この第1楽章は急楽章のはずなんだけど、かなり緩やかな曲想で、ゆったりとしている。オケが弦楽5部にホルンを加えただけなので、とても19世紀後半の協奏曲とは思えないくらいこじんまりとした印象。しかし和声は包み込むようで、とても柔らかい。
オルガンは最初から登場してくる、いわゆる古典派の協奏的ソナタ形式ではない普通のソナタ形式
そのせいもあってか、協奏曲というより、オルガンつき室内合奏曲のような肌触り。
メロディラインよりも、和声で進行していくようだ。
第2楽章 Andante。緩徐楽章だけどそんなに遅いテンポではない。
オルガンの独奏の上に弦がからんできて始まるけど、主調は長調だがすぐに短調に転じて柔らかな歌が流れる。この辺、かなり盛期ロマン派の色彩があふれている。
第3楽章 Con Moto。これまた第1楽章同様そんなに速い曲想ではないけど、オケの動きがけっこう大きくて、やっと協奏曲らしくなってくる。特に、唯一の管楽器ホルンは、この楽章でかなり前に出てくる。
弦が刻むリズミックな主題、それにからみつく、オルガンの対位法的な流れ、終りまぎわのカデンツァ等、印象度としては一番強いものを残してくれる。
それにしてもこのカデンツァ、カデンツァというより普通の独奏パートのようで、けっこう盛り上がる。
総じて弦とオルガンの融合具合がとてもよく効いてるので、合奏協奏曲のようだ。
主調が3楽章とも長調という事も合って、激しい感情とか深い思索というより、繊細で柔らかな肌触りを残してくれている。