火星の月の下で

日記がわり。

ラインベルガー・オルガン協奏曲第2番ト短調作品177

CDデータは1番と同じ。同CDの中のトラック4-6で、録音が1999年11月。場所も同じ。
オケ編成は第1番より少し拡大して、弦5部にホルン、トランペット、ティンパニが加わる。同じく3楽章構成。
第1楽章 Grave。いきなり弦とオルガンで始まるところは第1番と同じだが、主調が短調という事もあってか、かなり暗い情熱を感じるものの、長調への切り替えも早く、それほどパテティックな印象というのではない。
ただし、全体像は第1番より相当大きく感じるし、こっちはいかにもロマン派の協奏曲という感じはよく出ている。ティンパニの存在がけっこう大きいような気がする。
第2主題が、弦で奏でられ、そこにオルガンの高音域がきらめくようにからんでいくあたり、第1番とは違う華やかなものを思わせてくれる。長調終止で、第1番第3楽章のような荘厳なコーダである。
第2楽章 Andante。主題そのものは牧歌調なんだが、短調旋律が流れてくると、山の冷涼な空気がサーッと立ち込めてきたような魔的な雰囲気になる。長くは続かないが。
南独の雰囲気をかなり感じさせてくれる楽章だと思う。
第3楽章 Con Moto。再び主調は短調に戻る。
第1楽章と違って、全体の雰囲気もかなり哀愁を帯びていて、長調が主になるという感じでもない。まぁ、終止自体は長調終止なんだが。
第3楽章にリズミックな主題をもってくるあたり、第1番と共通している。だが、ティンパニの効果がここでもあって、音としては、さらにドラマティックに仕上がっていると思う。
第1番のように、朗々と歌うカデンツァがなかったのは少し残念。
こじんまりとして柔らかな第1番、ロマン派らしい情熱をオブラートに包んだ第2番と、けっこう趣味にあった作風だった。これからも聞いていきたいものだ。