火星の月の下で

日記がわり。

カイザー、クルティウス、ジャン・ルーセ・・・

昼、ちょっと時間ができたので、書棚からカイザーの『言語芸術作品』を引っ張りだしてきて、拾い読み。
なんか鉛筆でメモみたいな走り書きがいたるところにあって、妙に懐かしい。
奥付を見ると、法政大学出版局、1972年初版となっている。ブックカバーが神戸・漢口堂書店のものだから、たぶんまだ実家が神戸にあった頃購入したのだろう、高校生の頃かな?
確か丸善から、ドイツ語の原書を取り寄せようとしたのだが、うまくいかなかったのか、それとも船便で時間がかかりすぎるからだったのか、よく覚えていないが、邦訳が出た、ということで買ってしまったような記憶がある。
この直前に『Das Groteske. Seine Gestaltung in Dichtung und Malerei』(邦題:グロテスクなもの)を読んでいて、かなり衝撃を受け、しかもそれ以上にけっこうな大部だ、ということで『言語芸術作品』(原題:Das sprachliche Kunstwerk)を探していて、という経緯だったかな。
以前少し書いたように、さすがに読書体力が落ちてきているので、この大部を全部読み返すのはとてもできなかったが、死ぬまでにこの名著について、もう一度読み返して簡単でもいいから感想を残しておきたい。
クルティウスの『ヨーロッパ文学とラテン中世』も折り紙つきの名著で、むさぼるように読んでたんだが、どうも見つからない、度重なる引越しでどこかへいってしまったかなぁ。
とにかく、この2冊には、本をどう読み、どう考えるか、という指針をいくつか教えてもらった。老境に差し掛かる今、感謝でいっぱいである。
それとは少し毛色は違うが、同じく書棚から出てきたジャン・ルーセの『フランス・バロック期の文学』さすがにまだ20歳くらいの頃はフランス語は読めなかったので、筑摩から出ていた翻訳本だが、こいつも少し拾い読み。
若い頃読んだ文芸書というのは、年ふりて取り出してみると、いろんな感慨がわくね。