火星の月の下で

日記がわり。

日本にいるトカゲ

日本にいるトカゲというのは、細かい亜種までいれるとそこそこの種類になるが、本土産限定だと概ね、ニホンヤモリ(ヤモリ科)、ニホントカゲ(スキンク科)、ニホンカナヘビカナヘビ科)の3種。
このうち、ニホントカゲに関しては、昭和30年代頃までは、本州全土に分布はするものの、甲信越あたりから生息密度がうすくなり、関東ではかなり少なくなる、といわれていた。
ところが今では関東全域、東北でもごく普通に見られるようになってきて、従来東国人が言う「トカゲ」というのはニホンカナヘビのことだ、と言うのは通用しなくなってきている。
さて、この3科以外のトカゲとして有名なのが、沖縄等、南西諸島にいるリュウキュウキノボリトカゲ(アガマ科)で、これも従来は奄美諸島あたりを北限にしていたが、21世紀になってから、宮崎、鹿児島、そして長崎県の島々で生息が確認され始めている。
もっとも、このキノボリトカゲの北上に関しては、自然北上ではなく、人為分布である、ということがほぼ確定しているのだが、人為分布であれ、定着してしまっている、というのは、やはり上のニホントカゲの北上と同様、近年の気温の上昇と関係しているんじゃないかなぁ、と思えてくる。
ちなみにアガマ科というのは、イグアナ科、カメレオン科と近縁グループなので、南洋のいかにも怪獣然とした風貌のトカゲが日本にもいる、ということになる。もっとも、キノボリトカゲは体躯も小さく、蘭印やアフリカの同族達に比べるとはるかにおとなしい形状ではあるけど。
カメレオンなども、アフリカとマダガスカル、というイメージが強いが、イベリア半島にも少しだけ生息しているので、一応あの寒いヨーロッパにも分布しているわけだ。まぁ、あの辺は緯度のわりに全然寒くはないけど。
人為分布としては、伊豆諸島のアメリカ原産・グリーンアノール(イグアナ科)なんかもいるが、これなんかは繁殖力が旺盛で、現地での生物バランスを崩しかけている、とかっていうくらいの困った連中。ミドリガメミシシッピアカミミガメ)に近い感覚かな。
さて、このキノボリトカゲ、はたしてどこまで北上が可能なんだろうか。
もちろん、小型トカゲなんで、自身での移動能力はそれほどないから人為移動になってしまうわけだが、この夏のクソ暑さを見てると、そして最近の冬の暖かさを見てると、首都圏や近畿圏でもそろそろ野生化しだすんじゃねーかなー、なんて思ってしまう。
もちろん誤解のないように書いとくが、人為移動はやっちゃいけません。種によっては法律で禁止されてたりもするし。