火星の月の下で

日記がわり。

◎『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』に見る多神教

なんか大それたタイトルだけど、ちょっと思うことがあって記録。たいした内容ではないが。
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の和洋混合ぶりは、単に味付けの域を出てないだろう、と思っていた。
日本風の女学校の痕跡が残る砦、食事に出てくる米飯、味噌汁、焼き魚、お御籤に描かれた「大吉」「大凶」の漢字とその下にあるフランス語の文面、人名の混交、OPにおける衣装の混交等、石床に引かれたふとん等、あげていけばキリがないんだが、第3話ではついに宗教にまで踏み込んでしまった。
修道院といっていたが、貧窮院みたいなところで孤児の世話をしてる神官女性みたいなのが出てきて「八百万の神々」とか言い出したときには、さすがに驚いた。
衣装は、縫込みが和風ではあるんだけど、全体の印象はやや西アジア中央アジア風巫女、孤児を世話する貧窮院勤務のような立ち位置は欧州風なのに、多神教的発言。
なかなか面白いことをするんだけで、舞台がかなり乾燥地域の砦、およびその周辺の町を考えると、かなり奇異な気分になるな。
第1話にでてきた、東南アジア・南伝仏教のお祭りを思わせる水掛祭りなんかも、ちょっとあの風土には似つかわしくないように感じたんだが、今回の宗教に関しては、その比じゃなかった。
多神教があの風土で成立する、とはちょっと思えないんだけどなぁ。
多神教一神教にふみこむのなら、もう少し美術も含めて、工夫してほしかったところではある。
多神教ではなく、汎神論、なのかも知れないが、それならいっそう風土にあわない。
味付けだとは思うけどね。作品それ自体は面白いので、毎週楽しみにはしているところだが、こういう文化的混合が今後もでてくるのなら、そういったあたりも注目かな。
石床にふとんを敷いてカナタを寝かせるシーンなんかは、けっこう面白かったし。