火星の月の下で

日記がわり。

◇理科を学んでいない理工系

最近の大学生の英語@入試に英語を課さない地方国公立大の場合。(天漢日乗さんのとこから)
事情を知らないと驚くかもしれないけど、推薦入試とかになるとセンターを受けなくてもいい、というものがいくつかあるので、国立大学=センター必須だから英語はしているはず、という前提は崩れる。
加えて一般入試でもセンターが全教科必須(もしくは英数国+理or社の4教科)というのは上位の方のグループが主で、中下位になると、その中から選択となって、選び方によっては英語なしでも受験できるようになる。
だいたいわたしの世代だと、中学英語は仮定法までで、高校英語は1年の冒頭にその仮定法の応用をやって品詞論がだいたい終了、その後は文章論(シンタックス)で、息の長い文とかを読み込んでいく作業になった。
もっとも以前にも何度か書いたが、中学進級以前にドイツ語をやってて、中学入学とほぼ同時期にラテン語なんかを独学してた語学好き(それでも進学したのは理学部だったけど)だったので、あんまり学校の進路には頓着しなかった。
仮定法も「ああ、接続法を英語ではそういうんだ」とか「分詞構文」も「術語句みたいなものか、でも冠飾句みたいには使わないんだな」とか感じていたので、進度とかとは無関係に勝手きままに読んでいたような気がするが・・・。
仕事柄、数学とか理科とかを指導していると、理工系志望なのに、学校で「理科が完備していない」という話はちょくちょく耳にする。
公立高校の真ん中から下、といったゾーンだと、普通科であっても
・理科一般、化学、生物、といったあたりまでで、物理や地学はA、1、該当部分だけで、あるいはそもそもなかったり、なんてことがあって、建築方面に行きたい、機械方面にいきたい、というのに高校で物理がちゃんと学べない、という現象にはときどき直面する。
物理が開講されていても、理科の教員が兼務している場合もあって、とても受験レベル、あるいは大学専門レベルの基礎にはなりえないところもある。
当の本人たちは、一生懸命物理や数学を勉強したがっている、というケースも多いので、こういう現象を何年も、東京や大阪のような大都会で見てしまうと、日本の将来に対して不安を感じてしまう。
実際、高校の偏差値は低いけど中学時代の内申に原因があったためで、実はけっこう理工系のセンスや情熱をもっている、という学生がスポイルされかかるのを見ていると、個人の力ではどうにも及ばない無力感を感じてしまうこと、しきり。
数学にも同様のことがあって、さすがに科目そのものがなくなることはないし、底辺校でもなければ、理系志望者は少数と言えどもいるので、理科ほどひどいことにはなってないが、それでも授業のこととかを聞いていると、内容というか、質は非常に低い。
もちろん高校側の現実的な理由もあって、まともに数学をやると、少数の理系志望者(学校にもよるけど、底辺校より少し上の中下位校で1〜2割)以外は合格できずに留年してしまう、ということや、中下位校での理科教員の確保の難しさ、みたいなこともあるんだろうけど、学生の側からしたらたまったもんじゃないし、私学に比べると公立の場合は、そういった情報が中学生の元に届きにくい、というのもある。
英語もそうだけど、理科や数学もなんとかならんもんかなぁ、と考えることは、特に春先には多い。