火星の月の下で

日記がわり。

NHK杯準決勝第2局

準決勝第2局、丸山九段vs糸谷五段戦、わずか39手で糸谷五段の勝ち。
いや、すごいものを見せていただきました。
相がかり系の将棋は中盤がほとんどなくて、序盤から一気に終盤になだれこんで、50手、60手、という短手数で終わることも、ままあるようだけど、39手、しかも1回戦とかではなく、準決勝でこの短手数での決着、というのは、ちょっと過去に思いつかないくらいの、ものすごいものを見せてもらった。
2ちょん板から、棋譜を転載。

先手:糸谷哲郎五段
後手:丸山忠久九段

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲7八金 △3二金 ▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛▲2八飛 △7六飛 ▲2二角成 △同 銀 ▲7七桂 △5二玉▲8八銀 △8六飛 ▲8五歩 △2七歩 ▲同 飛 △8七歩 ▲7九銀 △8九角▲9五角 △8八歩成▲8六角 △7八と ▲6五桂 △4二金打 ▲2八飛打 △7九と ▲2二飛成 △同 金 ▲5三桂成
まで39手で先手の勝ち

新鋭若手棋士ロートル棋士との対決とかで、こういう短手数は稀にあるようだけど、一応全棋士参加の一般棋戦、その準決勝、ベスト4同士の対局で、だからな。
しかも負けた丸山九段は現役バリバリのA級棋士で元名人(2期)という強者なので、投了のときは「え?」な感覚になってしまった。
▲9五角が決め手で、丸山九段はここが見えてなかったらしかった。
当然のことながら、放送時間100分のうち、50分台で決着がついてしまい、感想戦に40分以上、対局時間と同じくらいやることになってしまったが、ここでの糸谷五段の読みというか、研究披露がまたすごかった。
8五飛を指させない指し方・・・既に別将棋になっているのを延々と検討、というか、糸谷の研究披露みたいなのが続き、それを解説の谷川十七世がアマにもわかりやすく翻訳したり、的確な読み筋を見せたりと、長かったわりに面白い感想戦でもあった。
山九段が相変わらずあまりしゃべらず、自分の読み筋を開陳しない、という点に不満は残るものの、谷川、糸谷二人の手順解説が良かったので、そんなに気にもならなかったかな。
テレビ対局はあんまり録画しても保存はしないんだけど、これは残しておこうかな、と思った対局だった。