火星の月の下で

日記がわり。

◎『花咲くいろは』に見る、家族文化の違い

「ババアの頭に銃弾を数発ぶち込むべきだ」「叩き返せばいいのに」 - 『花咲くいろは』第1話の海外反響
右のあんてなに入れている、聖地日本さんのところの記事。
今期は久しぶりに放映本数が多くて、海外サイトはまだチェックしてなかったんだけど、どうやら『花咲くいろは』、海外では「理解できない」という層が大多数のようである。なんかよくわかる記事でありますな。
日本人でも、核家族の中で育って、まだ社会経験の浅い若い人なんかだとそういう感情を持ちそうだし、実際いくつかのまとめサイトで「あの祖母のやり方は、教育としても間違っている」と知った風なことを言ってる人が何人かいた。
教育の現場にいて、数多くの家庭を見てきた立場で言うと、あの場面は、確かに少し「ヘンコなババア」な描写ではあったものの、純日本的な倫理感、職業意識、そして祖母の孫への愛情やら裏切られた思いやら、屈折した感情やら、いろんなものが見えてきて、むしろ情緒としての奥行きの深さを感じさせる良い場面だったと思う。
視聴者が、みんちの立場に立って、理不尽な感情を抱いたり、緒花の立場にたって祖母に対する恐怖、不可解さを抱かされてしまったり、そういったことも含めてよくできていたと思うだけに、海外のこの否定的な反応は、文化の違いだよなぁ、と思ってしまうこと、しきりである。
その前にあった、厨房で叱られているみんちに、助け船を出そうとして、逆に怒らせてしまう、という場面なんかは、たぶんある程度は理解できる、と思うんだけどね。
ただそれでもあの場面、みんちが板前さんより激しく怒っていたのには理解できない人はいるのかも知れない。
ともあれ、普通に良作、佳作だと思っていたのに、こういう視点を提供されてみると、東西の家族文化の差的な視点で見ていく、という面白さもあるのかもしれない、と気づかされる。
新作ラッシュが一段落して、力を入れて見る作品(もちろん『いろは』も含まれる)と、切る作品が決まってきたら、海外サイトもこの視点でおいかけてみたいところであるな。