火星の月の下で

日記がわり。

訃報・和田慎二さん死去

漫画家の和田慎二さん死去

広島県生まれ。1971年、大学在学中に「別冊マーガレット」でデビュー。「超少女明日香」シリーズや「ピグマリオ」など少女漫画で活躍。テレビドラマ化、映画化もされた「スケバン刑事」は大ヒットした。現在は、「ミステリーボニータ」(秋田書店)で「傀儡師リン」を連載中だった。

61歳・・・デヴュー誌は違うが、私とほぼ同期だったので、ショックは限りなく大きい。
61歳、まだ逝く年齢じゃないだろうに、ショックだ、そして悲しい。
東海大学在学中のデヴューだったので、私より少し年上だったが、ほぼ同期、と言っていい。
別マでのデヴュー前後からずっと見てきたので、この訃報にはなんともいえない悲しみを禁じ得ない。
70年代の別マやデラマに発表されていた、しっかりとした絵と骨の太い素材による少女マンガは、当時、男性が描けて、なおかつ男性が切り込める数少ないスタイルのように感じていた。
70年代半ばくらいから、りぼんの作家を主として、描き手である女の子の感性を存分に生かしたスタイルが定着していきつつある中で、和田さんの手法は的確で、かつ、話作りも面白く、流麗なタッチとともに感心していた。
初期の傑作短編『お嬢さん社長奮戦中』なんかは、会社乗っ取りや詐欺の手法なんかをストーリィの中に織り込み、しかも少女マンガとしてのテイストも維持していった良作で、一読後そのプロットのうまさに感嘆したものだった。
一時期、別マは、和田さん、美内さんの2人を中心に回っていたように思う。
また、和田さんはアニメに対しても慧眼の持ち主で、まだナウシカがブームになる以前から『太陽の王子』等を通じて宮崎氏を高く評価していた。
うる星映画版第1作『オンリー・ユー』が公開されたときでも、一部カットされた形での上映*1に対して、いち早く抗議の声明を出しておられたことなんかも思い出す。
ともかく衝撃である。そして悲しいニュウスである。
一段落したら、書庫から昔の別マを取り出してきて読みふけろうと思う。
和田さん、どうか安らかに。
そして多くの名作、傑作を残してくれてありがとう。
まだまだ業半ばだったかも知れないけれど、残されたものはどれも立派なものばかり。哀悼とともに、深い感謝も記録しておきたい。
心よりご冥福を祈ります。

*1:現在のソフトでは、そのカットされていた部分もちゃんと見ることができる。