火星の月の下で

日記がわり。

繁昌亭の怪談

昨日、天神橋筋の繁昌亭でやっていた納涼幽霊噺というのにVolさんと行ってきた。
幽霊噺、怪談落語というと、昔、二代目露の五郎(後の二代目五郎兵衛)が得意にしてた長いのを連想していたんだけど、講談、妖怪研究家のコレクション解説、そして銀瓶さんの落語、という構成で、昔の長尺怪談といった趣ではなかった。
しかしかなり楽しめた。
思うに、寄席が劇場のような巨大なところではなく、所謂定席というこじんまりとまとまっているやつで落ち着いて鑑賞できたこと、客席と高座の距離感がなかなかうまい具合に考えられていたこと(繁昌亭は、実は初めてだった)と相俟ってけっこう良い空間になっていたように思う。
もちろん欲を言えば、大正から昭和初期頃の映画によくでてきた、天井の高いすすけた小屋とかだったらもっと風情があったんだろうけど、定席でそれはないものねだりかもしれないし、大阪の街中で楽しめる、という点ではほぼ理想的だった。
まぁ、回数を重ねていけばまた注文も出てくるところではあろうけど。(^_^;
題目というかテーマがしつらえてあって「円山応挙と幽霊」
知ってるネタもいくつかあったけど、研究家の亀井さんが実に嬉しそうに話していたことや、純瓶さんをナマで見たのが始めてだったりとか、いろいろこういう席ならではの感触みたいなものもあって、時と空間を楽しむ、という点でなかなか良かった。
しかし講談師の人が「福笑師匠が」なんて話をしているのを聞いていると、なんか違和感がある。
わしらの世代は「おい、福笑!」「こら福笑!」をよく聞いてたからかなぁ。(笑)
チラシをいろいろと見ていると、純瓶さんって、こういう幽霊もの、怪談落語、とかいろいろと精力的にこなしているみたいですな。
二代目五郎(五郎兵衛と書くより、「露の五郎」の方がワタクシなんぞはなじみがある)が亡くなられてからちょっと寂しい想いもあったので、これからまた新しい幽霊噺なんかも聞けたらな、と思う。