火星の月の下で

日記がわり。

◎朗読CD

大昔、少しだけ購入したことはあったけど、ここ20年くらいはまったく手を出してこなかった朗読CDを久しぶりに購入。
しかも本屋ではなく、近所の雑貨屋みたいなところで、絵本なんかと一緒にバケットの中に入れて売ってたので(ラッピングはしてあった)手に取る。
モノは太宰治の『女生徒』を、花澤香菜さんが朗読しているもの。
ちっちゃいCDだったので、収録時間が短く、朗読箇所も10頁に満たないのだけど、なんか聞いててひきこまれるね。
たぶんにヲタ属性がないと楽しめないのかも知れないけど、こういうのも十分ありかな、という気がする。
この本ではなく別の朗読CDなのだが、Amazonのレヴューを見ていると、アニメ声優が朗読していることに対して露骨に毛嫌いしているものもいくつかあるようなのだが、はっきりいって了見が狭い。
アニメ声優が嫌なら、普通より高い商品をわざわざ買うことなんかないと思うし、逆プロパガンダだとしてもあまり良い効果は産まないだろう。
もちろん声優の好き嫌いはあるけど、それを抜きにすればこういうのもあっていいな、と思う。
欧州だと(一部中近東でも)有名声優が詩や本を朗読する、というのはかなり昔からあって、それが一つの文化にもなっている。
もちろん向こうの声優はラジオ声優だったり舞台声優だったりで、日本の一種独特なアニメ声優ではないけど、書かれたものを生きたことばにして楽しむ、という風習は、録音技術が生まれるはるか昔からあった。
もちろんいかなる文化圏であっても、詩歌というのはもともと歌われ、語られるものであったけど、欧州においては文字で書かれた文化が完全に定着し、文盲が減ってからもその傾向を強く持っていた。
日本の場合、まだ文字が読めない時代にはその代替としてあったけど、文盲がほとんどいなくなると少なくとも欧州や中近東ほどには「音にする文化」は浸透しなくなってしまった。(念のため書いておくけど、音楽の浸透、愛好とはまったく別)
横道すぎたけど、ともかく、アニメ声優がやる文学作品の朗読というのは、けっこういいな、と思ってしまったのでありました。
このCDの最大の問題点は、私が太宰の文学が嫌いだ、という一点だけである。(笑)