火星の月の下で

日記がわり。

アサッテ君が全国紙の漫画最長に

アサッテ君:13616回、一般全国紙の漫画最長に 東海林さん淡々と 「実感ありません」

東海林さだおさん(76)の本紙朝刊漫画「アサッテ君」が1日、通算13616回を迎え、一般の全国紙の連載漫画としては最長記録となった。今日よりも明日、明日よりもあさってはもっといいことがあるかもしれないと希望を込めたタイトル通り、コツコツと積み重ねた結果だ。これまでの最長は、本紙連載の故加藤芳郎さんの「まっぴら君」(1954〜2001年)の13615回だった。

新聞朝刊漫画の中で、「つまらない」「流行遅れ」「人物設定に矛盾がありすぎ」「漫画の体をなしていない」・・・と、ダメ評価の方で有名な『アサッテ君』がなんと最長記録に突入してしまった。
正直なんでこうなってしまったのか、よくわかりません。(笑)
アサッテ君』の前の朝刊連載『フクちゃん』が新聞漫画としてはかなり面白い部類だっただけに『アサッテ君』のつまらなさは最初から飛び抜けていた。
コマの中にただ自分の感想文をフキダシとしてダラダラ入れるだけで、人物の動きもなければ、人物像の描写もない。
中堅私大出の中年窓際族がとろんとした頭でぼんやり考えていることだけを垂れ流しているだけ、というのが最初の頃のイメージ。
とにかく頭が悪いだけでなく、制作にあたってまったく頭を使っていない。
『フクちゃん』は名作だった。
知名度という点では朝日新聞の『サザエさん』に大きく水をあけられていたが、内容とか面白さとかという点では十分に互しているとさえ思えるときも多々あった。
ちゃんと4コマの体裁になっていることがほとんどだったし、コマの中で人物が動いていた。
生活感も躍動感も、生きている喜びも悲しみも、ちゃんと読み取れた。
稀に鼻につくネタもあったけど、それはそれだけ作中人物の個性が出ていたからだろう。
全ての朝刊紙に目を通しているわけでもないので、あくまで私の知見の範囲で、だけど、新聞漫画の名作としては、この『フクちゃん』は『サザエさん』『ののちゃん(となりのやまだ君)』(以上、朝日)『ウチの場合は』(毎日夕刊)とともに、最高峰にあるものの一つだと思う。
『フクちゃん』が終わったとき、作者の横山隆一氏が高齢であったことが理由だったのでまぁ仕方ないな、とは思ったものの、その後があまりにつまらなかったので「なんでよりにもよってこんなつまんねーのを」と思ったものだったし、40年読み続けてきてその思いは今も不同である。もっともあんまりつまんねーので、毎朝読む、というのはさすがにしなくなってはいるんだけど。
これは推測だけど『アサッテ君』が始まったとき、まだ作者が30代半ばで若かったことがこの長寿になってしまった一因だと思う。
特に問題さえ起こさなければ、コンスタントに紙面を埋めてくれることの方が重要なんだろう。
あるいはよく噂される、新聞業界内部における早稲田閥の力みたいなのもあったのか。
ともかく、次にバトンタッチするときはもう少しまともな人にしてほしい、と思うことしきりである。
もっともそれまで毎日が存続しているかどうかは怪しいが。