火星の月の下で

日記がわり。

○大河清盛

未見の人に大河清盛の凄さを語るなら(togetterより)
放映当時は画面が暗いとか、低視聴率とか、そっちの話題ばっかりだったけど、実はかなり通好みの映像制作だったのだ。
ここでもお話と配役については、その大河らしすぎて大河っぽくなくなってしまったという逆説的な異彩が語られているけど、元映像屋としては、あの陰影に富んだ高密度の光の映像が圧巻だった。それゆえ画面が汚い、とか言われたけど。
内裏の中の暗がり、そこから浮かび上がる池の水とか、黄昏の曖昧さに沈む人物とか、何回コマ落としでみたことか。
あの海賊船の場面も配役がちょっとアレだったのでたたかれてたけど、海上の靄から雲間の薄暗い曙光から、何から何まで凄かった。
あれだけ金がかかった映像表現、というのは、もうハリウッドくらいしかできねーんじゃなかろうか、と思う。
返す返すも残念だったのが、それが映像芸術になってしまい、大衆芸能にならなかった、というところかな。
民放じゃないのでそれでも良いはずなのに、その後の大河をみてると、衆愚に堕ちてってるなぁ、という感がかなりする。
大河の視聴者には高齢者が多いしね。
近年まれにみる通好みの大河で、ワタクシの好みで言えば、平成以降の大河では今でも2位以下を周回遅れにしてしまうくらいのぶっちぎりベスト1作品。