火星の月の下で

日記がわり。

評論関係は、良いと思ったら名前だけでもどんどん書いていこう

以前、評論系同人の難しさという記事を書いてかつてのあの名評論誌『究極』編集部について少し触れたのだが、ここ数年、コミケでの評論系・文章系同人に優秀なものが増えてきているように思う。
これはたぶん時代の趨勢ということ以上に、文学フリマの登場と定着、そして創意を持つけど絵は描けないという人*1が数多く登場してきたこともあるのだろう。
ただ上の記事でも書いたけど、90年代以前の文章系同人が当時の質の高さに比べて扱いがあまりに軽くなってしまっているのは、それが多く記録されなかった(orされにくかった)ことにあったと思うので、今後は少しでも「良い」と思ったら、どんどん記録していった方が良いのではないか、と思うようになってきている。
そうすれば将来、なんらかの蓄積になっていくのではないかなぁ、と、ネットが当たり前になっている現在、あらためて思う次第。
そんなわけで、夏に買った文章系で(評論系)ではないんだけど、良かったと思えるものをひとつだけ書いておく。
カバラ魔法少女まじかるラビちゃん
HPがtwitterしか発見できてないので、サイト名とかがあるのかどうかもわかんないんだけど、pixivとかにはいくつかイラストもあがっているみたいなので、別に私が記載しなくても埋もれてしまう、なんてことはなさそうだが、上に書いた通り、多少でも気になったところは記載して残しておくべき、という考えから記載しておく次第。(気になったのは「多少」どころではなかったけど(^_^;)
購入時に少しお話を伺ったところ、なんでも早稲田の関係者さん(学生かOBかは聞かなかったけど)らしく、まだ若いお二人がテーブルにいた。
ひかれたのはコミケカタログに「ナチスと戦うユダヤ魔法少女」と書かれてあって、そこにめちゃくちゃひかれたせいだが、残念なことに第二次大戦中の話ではなく、戦後かなり経った未来でのお話、しかも表題にいささかトリックもあったりする。
それでも着眼点がなかなか秀逸だったので、かなり楽しめた。
ただかなり学術方向も取り入れていたので、娯楽モノとして見るには少し辛い部分もないではなかったけど、イディッシュ文学やイディッシュ語なんかに興味のあった元ゲルマニストのはしくれの一人としては、それだけに逆に楽しめる側面あったことは確か。
要望として少し告げておいたけど(あつかましいお願いをしてしまいすんまそん)やはり戦時下でのナチvsユダヤ魔法少女の戦いが見たかったところ。
ワタクシ個人としては別にミリタリ寄りでなくてもいっこうにかまわないのだけど、第二次大戦モノになると重箱のスミをほじくるようなミリヲタがわきかねないのでちょっと難しいかな、という気もするが。。。
でも、大戦中が舞台なら心躍るよね、強制収容所に連れ去られる魔法少女の家族、ゲットー内での秘儀、ヒトラーの命を受けてユダヤ狩りをするSS魔術団、ゴーレムとワルキューレの戦い(これはちょっと方向性が違うかな)、背後に蠢くソヴィエト共産党魔女狩り組織、usw、usw。
ということで、あんまり良い文章にはなってないけど、記録方々。

*1:こう書くと「(魅力的な)絵が描けない」という方に力点が感じられて、ややネガティヴな印象になってしまうことを危惧するが、もちろんそうではなく「創意を持つ」の方が主旨である。従って、創作・研究意欲にあふれている人、と言う意味のポジティヴな方に力点がある。